生剋名で見る性格の六分類~比劫・食傷・財・官・印・バランス型の6つのタイプを紹介
本日はタイトルどおり命式の五行バランスから知る性格の六分類についてお話したいと思います。ちなみに今日は話を簡単にするために先天運のみを土台に話しますが、本来は姓名の五行の影響も加味されるのでその点も頭に入れておいてください。
四柱推命における性格は、一般的に日干を見ます。甲には甲固有の性質、丙には丙固有の性質があるのですが、様々な命式や人を見ていると、同じ日干の人でも性格が随分違うことがあります。
しかしそれは当然で、気質は日干を中心とした命造全体の五行バランスによって形成されるためです。このため日干・甲でも食傷が強いタイプ、官が強いタイプではまるで正反対となることもあるのです。このため、気質は生剋名で見るほうが分かりやすいのです。
生剋名から見る性格の六分類
まずは生剋名による分類を以下に示します。生剋名は陰陽を分けずに数えると五種ですが、五行のバランスが良いタイプもいるため、バランス型を加えて六分類としたものです。
- 比劫タイプ
- 食傷タイプ
- 財タイプ
- 官タイプ
- 印タイプ
- バランスタイプ
上記の分類となりますが、当然1つの生剋名だけに五行が偏ることはありません。大抵は食傷と財が強いとか、印と比劫が強いなど、偏っていても2行程度でしょう。したがって多くの人は食傷と財タイプが混ざっていたり、印と比劫タイプが混ざっているものですので、その点も頭に入れていただく必要があります。
ただし気質は、命造の中で最も強い生剋名の影響をよく受けるため、性格を見る場合には最も重要な視点となるのです。タイプによって人との付き合い方も様々ですが、これを知っておくとよりよい関係性の構築や、相性の悪いタイプをあらかじめ避けることもできるでしょう。なれてくると、その人を見ただけでどのタイプの命式かが分かるようになります。
比劫タイプの性格
比劫タイプの性格特徴は以下となります。比劫が強いが適切な場合は良い面が出やすく、逆に比劫が突出して強い場合は悪い傾向が強くあらわれます。
比劫タイプ・良い面
- 意志が強い・やる気がある
- 独立心がある
- 自尊心が強く逞しい・一匹狼タイプ
- 行動力がある
- 有言実行
比劫タイプ・悪い面
- 自我が強い・当たりが強い
- 独断的・剛直過ぎる
- 度量・視野が狭い
- 頑固で柔軟性に欠ける・好き嫌いが激しい
- 人付き合いが悪い、社交性に欠ける
比劫タイプで分かりやすいのは人付きあいです。人に対しての好き嫌いがかなり激しいため、対人関係での愚痴をこぼすことも多いです。ただし官タイプのように黙ってはいられない気質のため、いざという時には激しくぶつかることがあります。このため比劫タイプは対人運が最も悪いです。
しかし比劫タイプに『もっと柔軟に考えたら?』などと言っても通じないようです。自分は絶対間違っていないという信念をもっている人も多く、堂々と正論をかます傾向があります。ちなみに比劫タイプにおいて印も強い場合、非常に頭でっかちで頑固になる傾向があります。起こっている時は周りが見えません。
まだまだ解説したいことはあるのですが、ここでは様々なタイプを外観するため、この程度にしておきます。
食傷タイプの性格
食傷タイプの性格特徴は以下となります。特に食傷が突出して強い場合は悪い傾向が強くあらわれます。
食傷タイプ・良い面
- 利他的で思いやりがある・素直
- 心が自由を欲しており、好きなことを自由にやる
- 行動力がずば抜けている
- 表現力が高い・アイディアが沢山で、才知に長ける
- 頭の回転が速い・おしゃべり
食傷タイプ・悪い面
- 我が儘・自由奔放・自制心が弱い
- デリカシーがない・社会性の欠如
- 深く考えることなく行動し、迷惑をかけたり失敗する傾向がある
- 自分の欲望のために暴走することがある
- 押さえられたり束縛されることを極度に嫌い孤独になりやすい
上記の良い面と悪い面の出方についてですが、概ね日干が弱く食傷が突出して強く大過している場合は悪い面の方が強く出てくることになります。食傷大過には犯罪者も多く、その心理としては自分の欲望を最大限追求した結果ということも多いでしょう。
また食傷タイプは一見して優しく温和そうな雰囲気をもちますが、内面に鋭い面があり、怒りの琴線に触れると突然噛みついてくることがあります。元々利他的なところはあるのですが、頭を押さえつけられたり、命令されたりすることが嫌いなため、上下関係の厳しい場所は全く向きません。
食傷タイプは本来かなりのおしゃべりなので、しゃべり方でも食傷タイプか否かが分かります。大体食傷タイプは明け透けな物の言い方をし、ユーモアが混じりますが、毒舌なところもあります。ちなみに私の先天運は食傷タイプです。
財タイプの性格
財タイプの性格特徴は以下となります。特に財が突出して強い場合は悪い傾向が強くあらわれます。
財タイプ・良い面
- 社交的・人付き合いがうまい
- 蓄財能力や財の管理能力に秀でる
- 決断力・実行力がある
- 自分を魅力的に見せることができ、恋愛運が良い
- 巧みな話術と余裕のある雰囲気
財タイプ・悪い面
- 金銭に対する執着が強い
- 人を軽く見る傾向がある・薄い付き合い
- 異性に溺れる傾向・異性問題
- 金銭問題での苦労・破滅・破産
- 失敗すると自暴自棄に陥りやすい
財タイプは一見して人当たりがよく社交的に感じることが多いのが特徴です。もちろん財の多寡・日干強弱・喜神であるか否かも関係してくるのですが、自分を格好よく見せようとする意識が強く、良い意味で目立つタイプです。また話術が巧みでスマートに見えることも特徴の一つです。
ただし財が強すぎると、やはり上記の悪い面が目立ってきます。大体財が大過する(忌神)人はいつも金銭問題を抱えており、また金銭への執着も強いため、周囲から疎まれる場合も多いのです。怪しいお金儲けの話をいつもしてくるようなタイプもいますが、逆に貧乏でお金の話をあえて避けるタイプもいるでしょう。
またお金に対して驚くほど執着が強い人もおり、金の話になると急に耳を傾けてくる人は財タイプです。
官タイプの性格
官タイプの性格特徴は以下となります。特に官が突出して強い場合は悪い傾向が強くあらわれます。
官タイプ・良い面
- 人の言うことをよく聞く・従順・法を遵守
- 自制心・克己心がある
- 人の指示を忠実に実行する能力がある
- 管理能力が高く、ルールに従うことが得意(好き)
- 責任感が強い・忍耐力があり、几帳面
官タイプ・悪い面
- 我慢しすぎる傾向がある・自分の意見をはっきり言わない
- 表は従順だが、内面では怒りや不満をもっていることが多い
- 周りの目を気にしすぎる。自分を表現せず、何を考えているのか分からない
- 自発的な行動力に欠ける
- 気が小さい・自責の念が強い・過度に自分を責めたりする
この官タイプの人も付き合うとすぐに分かります。自分のことをあまり言いたがらないからです。会話では相手主導・受け身なタイプであり、人の話をよく聞いています。しかし愚痴でも何でもうんうんと聞くので疲れてストレスが溜まりやすいタイプでもあります。いわゆる『いい人』と呼ばれている人に官タイプが多いのですが、内面では怒りや不満を抱えている場合も多く、ストレスが溜まりすぎると暴力的になったりモラハラ的になるのも特徴です。
気が小さく、警戒心が強いのも特徴です。世間体や周囲の目を大変気にするのも官タイプの特徴です。
また当然官は日干(自分自身)を剋すものなので、自発的な行動力に欠けます。自分を律することは得意ですが、自ら意思を表明したりアイディアを出したり率先したりといったことは大変苦手で、命令されている方が楽というタイプです(ただし官はバランスよく配合されていれば優れたリーダーともなります)。
そして官タイプは食傷タイプとは真逆(食傷と官は相剋)なのが特徴であり、官タイプと食傷タイプはあまり相性が良くありません。食傷タイプは自分の意見を言うのは当たり前だと思っているので、モゴモゴしている官タイプに不満を感じやすいようです。逆もしかりです。
印タイプの性格
印タイプの性格特徴は以下となります。特に印が突出して強い場合は悪い傾向が強くあらわれます。
印タイプ・良い面
- 愛情が深い・愛心がある
- 目上の人や神仏を敬う傾向がある
- 研究心・向上心がある
- 芸術性・スピリチュアルなものへの感性が高い
- 引き立て運があり、人から可愛がられる
印タイプ・悪い面
- 考えすぎる傾向・行動できない
- 頑固・固執・視野が狭い
- 厭世的・逃避的・憂鬱・怠惰
- 人を信じやすく悪い人間に騙されやすい
- 偏執的な考えに陥り、悪い宗教等にハマったりする
印は日干(自我)を生じる生剋名です。このため印が強すぎると比劫同様自我も強くなり、好き嫌いが激しくなったり、自分と意見の合わない人を拒む傾向が出ることもあります。自分だけの世界にどっぷりと浸かっていることも多いでしょう。このため芸術家にも多くいるのが印タイプです。
また印は『思考』を象徴するため、何事も深く考え過ぎる傾向があります。深く物事を考えることはいいことなのですが、ネガティブなことをずっと考えているとそのうち鬱になってしまうかもしれません。特に印大過の人は悪い過去をずっと引きずっていたり、心の傷やトラウマを長く抱えていたりすることも多いですが、これも印の日干を生じる作用が関係しています。
ちなみに印が全くない人はどうかと言うと、印タイプの人が驚くほど、悩んだり考えたりしません。何か悪いことがあっても大して気にもとめず、次にやりたいことを考えていたりするので、当然欝にもなりにくいのです。特に食傷が強く印がない人は、悩む人の気持ちが分からないようです。したがって鬱病・躁鬱病に罹る人には必ず多くの印があります。
バランスタイプの性格
バランスタイプとは命式に五行具備しており、突出して強い生剋名がなく、バランスが良いタイプのことです。このタイプは特に悪い面はありませんが、一応記述しておきます。
バランスタイプ・良い面
- 比劫・食傷・財・官・印それぞれの良い面をもつ
- バランス感覚に優れ人付き合いがうまい
- リーダー・経営者に向く
- 健康運が強く、運勢も良い
- 理解力・知力・能力が高い
バランスタイプ・悪い面
- バランス型のため、突出した才能が出にくい
- 性格に癖がないが、やや個性に欠ける面がある
先天運においてバランスタイプは意外に多く存在しています。ただし、完全なバランスというものは存在しないことに注意してください。すべての五行の力量が同じにはなりません。このためバランスタイプの中でも、比劫が強めの人、官が強めの人などが当然います。そして大抵は印+比劫、食傷+財、財+比劫+食傷のように入り交じるため、無数の組み合わせ・気質が存在することになるのです。
またバランスタイプは五行バランスが良いため、運勢が強い人が多いです。このため世の成功者にもバランスタイプが多いです。
ただ先天運においてバランスタイプでも、姓名において突出して忌神の比劫が強い人などがいますが、こうなるとその人はバランスタイプではなく、比劫タイプとなることには注意です。元々先天運の五行バランスが良いバランスタイプの場合は、よほど大運に偏りが出ない場合は姓名もバランスよく五行を配置することが吉となります。