四柱推命旺

十干と十二支から解命を行う本格的四柱推命の専門サイトです。四柱推命の本質と解命方法を詳しく解説し、ユーザーの皆様の理解を深めていきたいと思います。

大運干支の力量算出方法解説~大運の喜忌を知るために最も重要な事

今回は大運干支の力量算出方法を解説したいと思います。この大運干支の力量は、大運(または流年運)の喜忌を確認するために極めて重要な項目ですので、是非とも頭に入れておいていただきたいと思います。

従来の四柱推命、および日本式の四柱推命では、干支の力量ではなく生剋名や十二運などを元に喜忌を判断することが主でしたが、これは正直言って当たりません。

なぜ当たらないのか?ということの解説をしているとまた長くなってしまうためここでは端折りますが、とにかくそのようなやり方では真の運勢を観察することはできないのです(過去の記事で何度か理由も含めて書いています)。

また、生剋名や十二運ではなく、本来の干支の作用を元に鑑定を行う方もいますが、その場合も単純な五行の判断に終始していることが多いものです。そこで今回は厳密に力量を定義する方法について解説したいと思います。

なお大運の力量測定につきましては、武田考玄氏の手法がベースになっていますが、私が考察を重ねる上で変えている部分もありますので、ご注意願います。

大運の力量測定の基本

まず、大運の力量測定の基本について解説致します。大運の力量測定につきましては、大運が旺相死囚休の循環率であるということから、原局と同様、旺相死囚休の理論に則って五行の力量を数値化することになります。

※流年の干支は旺相死囚休の循環率ではありませんので(流年は客観的時間とされ、大運の主観的時間とは次元が異なる)、このような計算はしません。ご注意ください。

また原則として、こちらも原局の力量計算と同様となりますが、天干1の力量に対し、地支2の力量として計算を行います。

そして1干の力量を5として計算することも原局の計算方法と同じです。ただし、大運地支においては分野の概念がありませんので、本気・中気・余気の配分を固定とします。この時、本気は1と1/3、中気は1/3、余気は1/3として計算します。

また、中気がない旺支の場合は、本気1と1/3、余気2/3となりますが、旺支の蔵干はともに同一五行ですので、2x(旺相死囚休の数値)ということになります。

最大となる旺の力量は5、そして天干・地支の干は最大で3ですので、5x3=15が同一五行における大運干支の最大力量となります。

さらに旺相死囚休の原則にしたがい、定められた数をそれぞれに掛けます。旺相死囚休における定数は以下です。

  • 旺: 5
  • 相: 4
  • 死: 1
  • 囚: 2
  • 休: 3

すなわち原局における力量計算同様、大運地支の旺相死囚休を導き出し、上記の数を大運干支の干(五行)に掛けることで大運干支の力量が算出されます。

よく分からないという方もいると思いますので、以下実例を出したいと思います。

大運の力量計算実例

それでは、以下、5つの季節における大運の力量を計算していきます。

大運・甲寅の場合

大運【甲寅】は、天干・甲木一干、地支・寅の蔵干は本気・甲、中気・丙、余気・戊ですので、大運干支の単純力量は以下となります。※単純力量とは、干支の相剋を考慮していない状態の力量のことです。

  • 木(旺):11.666
  • 火(相):1.333
  • 土(死):0.333
  • 金(囚):0
  • 水(休):0

大運・丙午の場合

大運【丙午】は、天干・丙火一干、地支・午の蔵干は本気・丁、余気・丙ですので、大運干支の単純力量は以下となります。

  • 木(休):0
  • 火(旺):15(最大)
  • 土(相):0
  • 金(死):0
  • 水(囚):0

大運・癸未(土旺)の場合

大運【癸未】は、天干・癸水一干、地支・未の蔵干は本気・己、中気・乙、余気・丁ですので、大運干支の単純力量は以下となります。

  • 木(囚):0.6666
  • 火(休):1
  • 土(旺):6.6666
  • 金(相):0
  • 水(死):1

※天干に癸水がありますが、死令ですので1しか力量がありません。癸未・火旺の時の力量は以下です。

  • 木(休):1
  • 火(旺):1.6666
  • 土(相):5.3333
  • 金(死):0
  • 水(囚):2

大運・壬申の場合

大運【壬申】は、天干・壬水一干、地支・申の蔵干は本気・庚、中気・壬、余気・戊ですので、大運干支の単純力量は以下となります。

  • 木(死):0
  • 火(囚):0
  • 土(休):1
  • 金(旺):6.6666
  • 水(相):5.3333

※壬申では、相令である水が金と同程度に強い事が分かります。

大運・己亥の場合

大運【己亥】は、天干・己土一干、地支・亥の蔵干は本気・壬、中気・甲、余気・戊ですので、大運干支の単純力量は以下となります。

  • 木(相):1.3333
  • 火(死):0
  • 土(囚):0.6666
  • 金(休):0
  • 水(旺):6.6666

変則的な見方・三合や方合、冲や合去の場合

以上は原則的な見方でしたが、もし大運と原局の地支が三合等を起こす場合はどうでしょうか?その場合は、原局の地支も巻き込んで力量を計算する必要があり、少し複雑となります。以下、実例を元に解説致します。

三合・方合する場合

三合や方合は同一五行による団結ですので、当然力量は合しない場合よりも増します。

たとえば大運の干支が【甲午】で、この午が原局にある寅と戌と三合を起こす場合、地支蔵干が全て火化するため、大運力量は以下となります。

  • 木(休):3
  • 火(旺):30 (蔵干6干分x5)
  • 土(相):0
  • 金(死):0
  • 水(囚):0

と、大変な力量となることが分かります。これが、喜神・忌神を見分けるために非常に重要なポイントです。つまり、火が忌神の場合は非常に重い忌神運となるのです。

また、大運が【辛酉】で、地支の戌・申と方合する場合はどうでしょうか?

  • 木(休):0
  • 火(旺):0
  • 土(相):0
  • 金(死):35(天干と蔵干を合わせた7干分x5)
  • 水(囚):0

もの凄い金の力量です。金が喜神であれば良いのですが、たとえば日干が乙木で身弱の場合は著しい病難・事故などが考えられます。反対に金が喜神である場合は相当な喜の事象があらわれます。

冲・合去する場合

また冲する場合は無作用化しますので、力量は0となります。たとえば、大運が【甲午】で、午が原局の子と冲去する場合の大運力量は以下です。

  • 木(休):3
  • 火(旺):0
  • 土(相):0
  • 金(死):0
  • 水(囚):0

※この場合、原局の子の力量も0として計算します。

合去する場合も同様です。たとえば、大運が【乙未(火旺)】で、未が原局の丑と合去する場合の大運力量は以下となります。

  • 木(休):3
  • 火(旺):0
  • 土(相):0
  • 金(死):0
  • 水(囚):0

となりますので、未は土だからと考えていてもその力量が0であれば運勢に対する作用は全然異なってきます。たとえばこの場合は、土が喜神なら喜の作用がなくなるため忌神となりますし、土が忌神なら忌の作用がなくなるため喜神的運気となります。

以上、大運干支の力量計算方法でした。