三合と同程度に五行エネルギーが強まる地支の配置について
今回は、三合と同程度に五行エネルギーが強まる地支の配置について解説したいと思います。前回、神田沙也加さんの記事で火の合を取り上げましたが、これに類する合です。
まず、三合となる地支をすべて見てみましょう。
木の三合 | 亥・卯・未 |
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火の三合 | 寅・午・戌 |
金の三合 | 巳・酉・丑 |
水の三合 | 申・子・辰 |
ご存知のように、それぞれの三合の地支を示しました。中央に書かれている地支が旺支というもので、三合を形成する際の中心(核)となるものです。
これらの力量は、蔵干がすべて合化した五行に変化すると見なすため、蔵干二干 x (旺相死囚休の数値) = 力量ということになります。つまり寅・午・戌の三合があり、なおかつ火旺の場合は、6 x 5 = 30という力量となります。これはエネルギーの大過です。
ところで、三合と同程度に五行の力量が強まる地支の組み合わせがあります。それが以下です。
木の強力な半合 | 亥・卯・亥 |
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火の強力な半合 | 寅・午・寅 |
金の強力な半合 | 丑・酉・丑 |
水の強力な半合 | 申・子・申 |
これらはいわゆる半合・半会という組み合わせですが、ご覧のように旺支の周りに、二つの半合となる地支が入り、三合のような組み合わせとなるものです。なぜこの組み合わせが強力になるかと言うと、周囲の地支が旺支と半合となり、なおかつ旺支を生じるからです。
たとえば、丑・酉・丑は、酉金を、挟み込むように丑土が生じています。このため、この組み合わせは非常に強力な合と言えるのです。
そこで、もう一つの半合の組み合わせを見てみましょう。
木の強力な半合 | 未・卯・未 |
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火の強力な半合 | 戌・午・戌 |
金の強力な半合 | 巳・酉・巳 |
水の強力な半合 | 辰・子・辰 |
以上も理論的には半合以上とみなすものですが、旺支と周囲の地支の組み合わせをみると、蔵干がいずれも相剋関係となります。このため、実際の力量としては先ほどの半合の組み合わせよりはエネルギーがやや弱まるのです。特に、旺支の周囲の地支が旺となる場合は、合が大変弱まります。
地支 | 巳 | 子 | 辰 | 子 |
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たとえば、上記は辰月土旺の生まれの場合です。以上は辰・子・辰という半合以上の地支の並びとなりますが、土旺のため蔵干をすべて水として計算しても、6x1=6程度にしかなりません 。しかし土旺であり、巳火もあるため、実際はもう少し弱くなり、実際の地支における水の力量は4程度になると思います。
しかし、以下の組み合わせの場合はどうでしょうか。
地支 | 巳 | 申 | 子 | 申 |
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地支 | 申 | 子 | 申 | 巳 |
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以上は、子・申・子の二つのパターンです。つまり、申・子・申が成立する地支というのは、月支・申か水としかならないわけです。そして、子・申・子は水の三合ですので、月支・申であれば相令。そして月支・子であれば旺令となり、その力量が大変強くなることは言うまでもありません。
実際の力量は、当然旺令のほうが強く子月の場合は30、相令・申月の場合は24となります。どちらも20を越えて水の力量が大過していることが分かるでしょう。
木の強力な半合 | 亥・卯・亥 |
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火の強力な半合 | 寅・午・寅 |
金の強力な半合 | 丑・酉・丑 |
水の強力な半合 | 申・子・申 |
このため、地支に以上の組み合わせがある人は、それぞれの五行が大過していると言えるでしょう。また、前回紹介した神田沙也加さんのように、上記半合の周囲の地支が二つある場合も注意が必要です。つまり、
卯が巡ると一気に木強 | 亥が二つ |
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午が巡ると一気に火強 | 寅が二つ |
酉が巡ると一気に金強 | 丑が二つ |
子が巡ると一気に水強 | 申が二つ |
もちろん強まり方は命式の構造によりますが、大運によっては特定の五行が一気に大過し、忌神化する場合もあるということです。※ただし、地支に旺支を冲する地支がある場合は大過しません。
そこで最後に、神田沙也加さんの六柱を載せておきます。
天干 | ? | 戊 | 丁 | 丙 |
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地支 | ? | 寅 | 酉 | 寅 |
彼女の場合、ご覧のように寅が二支あり、死亡当時の大運は【甲午】でした。すなわち、おそらくは寅・午・寅の合が成立し、これによって火が大過、その力量はおよそ35以上となります。そして火炎土躁の状態となり、日干が強すぎる火に絶えきれなくなって力尽きたとみることができるのです。
しかし、もし月支が子の場合はどうでしょうか。
地支 | ? | 寅 | 子 | 寅 |
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これだと、午・子が冲となるため、寅・午・寅の半合が起こりません。したがって大運【甲午】であっても、火の力量は10~15程度となり、それほど大過しないのです。
大運は原局に同時的に作用する
そして多くの占い師が見落としている(というか知らない)重要なことに、『大運は原局に同時的に作用する』という、運勢を洞察するために非常に重大な視点があります。
これはどういうことかと言うと、原局では『寅・午・寅』の火局はこれらの地支が隣り合っていなければ成立しません。つまり、『寅・酉・午・寅』のような地支は、午・寅の半合のみとしか見ないのです。
しかし、大運の干支は原局に同時的に作用するため、神田さんのように『寅・酉・寅』のような並びであっても、大運の午は原局の寅二支と同時的に作用し、『寅・午・寅』の火局半合以上を形成するというわけなのです。
つまりこのような見方を知っていないと、神田さんの現在の大運と原局が寅・午・寅を形成し、火のエネルギーが30以上あるということが分からず、したがって命運もよく分からないということになってしまうのです。