従旺格の位相判断方法~従旺格の間違いやすいポイント
今回は従旺格の位相判断方法について解説致します。従旺格というと、名前からして運気が強そうな印象を与えますが、日干が強いというだけで、運気が強いというわけではありません。むしろ、従旺格は往々にして位相が低いのが特徴です。
従旺格概要
とはいえ、従旺格にも喜命とそうでない場合があります。判断方法を難しくしているのが、従旺格は既に喜神を沢山もっている、という点です。たとえば甲木の従旺格の場合は、命式は木と水ばかりになりますが、従旺格の場合は比劫と印がともに喜神ですので、命式には喜神ばかりということになります。
また従旺格では、同時に食傷と財も喜神となります(忌神は官のみ)。このような事実から、従旺格では大運・流年の巡りにおいても喜神が巡りやすく、これによって喜命だと勘違いしてしまうこともあるでしょう。
ところが、実際従旺格の方のこれまでの人生や経歴を聞いてみると、なかなか悲惨であることが多いのです。特に、命造に食傷や財が全くなく、さらには調候用神もないという場合にそのような波乱の人が多く、健康状態も良くないということが多いのです。
しかし従旺格の喜神・忌神のみで判断をするならば、命式には喜神ばかりがあり、なおかつ大運干支にも喜神が巡っているのにも関わらず、なぜ健康や運勢が悪いのでしょうか?その理由を次に解説致します。
従旺格の位相判断方法~比劫や印は本当に喜神なのか?
まず従旺格は、以下の点から低位相となりやすいのです。
- 調候不良になりやすいため。たとえば壬・癸の従旺格、丙・丁の従旺格、庚・辛の従旺格はすべて調候不良です。戊・己の従旺格も、未生まれの場合は調候不良です。
- 五行が比劫と印に偏りすぎているため。比劫と印は従旺格にとって原則喜神なのですが、比劫と印だけで喜命となるわけがありません。なぜなら、生活を豊かにするためには食傷、財を豊かにするためには財干が必ず必要だからです。
つまり上記の2点が従旺格が低位相になりやすいという最大の理由です。そのため、調候が適切であり、なおかつ食傷と財が適度に存在する従旺格であれば、喜命となる可能性もあるのですが、そのような人は当たり前ですが確率的に低いので、従旺格の人は波乱であることが多いのです。
このように説明してくると、では比劫や印は喜神なのか?といった疑問も生じてきます。ただこれについては原則的なものであり、別の方向に逸れてしまいますので、今日のところは触れないでおきます。
従旺格の命式実例
最後に実例を出して解説致します。まずは位相が極端に低い従旺格の例です。
天干 | 辛 | 壬 | 庚 | 辛 |
---|---|---|---|---|
地支 | 亥 | 申 | 子 | 亥 |
上記は冬生まれの壬水の従旺格です。食傷・財・官の全くない、綺麗な従旺格ですが、低位相となります。その理由はまず調候(丙火)不良であること、加えて食傷と財が全くないためです(官があると従旺格ではなくなります)。
上記命造の正確な五行力量を見てみましょう。
- 木:3
- 火:0
- 土:1
- 金:10
- 水:35
上記のようになり、食傷(木)・財(火)の力量が全くありません。このため大運に喜神が巡らなければ貧しい生活を強いられるでしょう。姓名構造において木・火が旺盛であれば恵まれますが、金・水(喜神)が旺盛であればむしろ困苦の多い人生となります。
調候用神の丙火は皆無ですので、生命力不足で病弱傾向があります。もちろんこの点においても姓名構造が重要で、火を必ず必要とします。
天干 | 丁 | 戊 | 戊 | 辛 |
---|---|---|---|---|
地支 | 巳 | 子 | 戌 | 丑 |
上記はとんねるずの石橋貴明さんの先天運です。1961年10月22日09時10分東京都生まれとされており、このような命造となります。
従旺格の条件である官がないこと、比劫と印が重々とあるという点をクリアしており、従旺格と判断できます(上記命式がそもそも従旺格ではないという議論もあり、この点については考察の余地ありですが)。
ただ先ほど解説した命造と異なり、まず調候用神(丙火と壬水)が適切であること、加えて食傷(金)と財(水)が出ている点から喜命と判断できる珍しいタイプの従旺格です。
戊土の従旺格ですので、喜神は土・火・金・水、忌神は木のみですが、とんねるずが成功し始めた時(1980年代後半)の大運干支が【乙未】、その地位を確立したのが【甲午】であることから、比劫や印が喜神であることも見て取れます(健禄格であれば、火と土は忌神です)。
ただ従旺格の場合であっても、比劫と印ばかりの命造ではこのような成功はし難く、社会的な成功や財を得るためには食傷と財が必要だという好例となっています。※なお石橋さんは姓名に喜神が多い構造です。従旺格の場合は、比劫や印を極力入れないことが重要です。
このように、従旺格であっても普通格局と同様、五行バランスが求められるということは非常に大切な視点です。