メンヘラになりやすい性質とは?食傷と官の性質傾向の違い
メンヘラとはよく聞く言葉ですが、精神的な不調や心の病を抱えている人、または神経症的傾向がある人のことを指します。今回は命式にて、そのような特徴がある人の生剋名の特性について語りたいと思います。
まず、メンヘラの特徴について見ておきましょう。
- 感情の起伏が激しい:感情の変動が激しく、小さなことで怒ったり悲しんだりすることがある。
- 依存性が高い:人間関係において過度に依存する傾向があり、孤独を極度に恐れることがある。
- 自己評価が低い:自己評価が低く、自己否定的な思考に陥りやすい。
- 自傷行為や自殺企図:精神的な苦痛を表現する手段として、自傷行為をしたり、自殺を考えたりすることがある。
- 社会的な引きこもり:社会的な活動から引きこもりがちになり、人との接触を避けることがある。
それでは早速見ていきましょう。
メンヘラになりやすい生剋名の特性
メンヘラになりやすい生剋名については、前回解説した『官』および『食傷』の大過が代表的です。しかし、官と食傷は真逆の性質をもっているため、これに留意する必要があります。以下は、官と食傷の性質傾向についてです。
官の性質傾向
以下の【官】の傾向は、あくまでも官がバランスの良い状態の時です。
- 自制心・克己心がある
- 責任感が強い
- 胆力がある
- 管理能力が高い
- 法律を遵守
食傷の性質傾向
以下の【食傷】の傾向は、あくまでも官がバランスの良い状態の時です。
- 自由奔放で快活
- 行動力があり、やりたいことをやる主義
- 利他的で、人を利する傾向あり
- 対人運・社交運が良い
- 頭の回転が速い、発想力・アイディア力に秀でる
しかし、上記のような官・食傷の良い特性も、大過してしまうと全く逆の気質となることがあるのです(従児格や従殺格など、それらが喜神となる場合は別)。
そしてその多くは、普通格局であり、なおかつ身弱で、官や食傷が大過する場合になります。以下、これらの生剋名が大過した場合の性情についても見ていきましょう。
官が大過する場合の性質傾向
- 感情の起伏激しい。自分の感情がコントロールできない
- 自己否定的・自虐的・自傷的傾向がある
- 人を束縛したり、傷つけたりする傾向あり
- 批判を気にしすぎる。気が小さくすぐに怯える
- 人に厳しすぎたり、攻撃性をもつ
- 利己的・自己中心的
- 自暴自棄。前回解説したとおり、モラハラ系にも多い
つまり、これは『官』の特性が行きすぎた結果です。上記を見てみると、『メンヘラ』というワードに対しては、官の大過のほうが当てはまっているように感じます。
食傷が大過する場合の性質傾向
次は食傷について見ていきます。
- 常に鬱々とした精神状態にある。食傷は日主の気を奪うため、精神薄弱傾向
- 自由奔放に過ぎ、自分勝手に行動、わがまま
- 行動的だが、場当たり的でずさん。計画性なし
- 金遣いが荒く、節操・貞操観念なし
- 反抗的・衝動的・攻撃的
- 極端に束縛を嫌う。自分も相手を束縛しない(官との大きな違い)。違法行為も辞さない傾向
つまり、『官』の場合は日干が強く剋されることによる自虐的メンヘラ傾向があり、『食傷』の場合は日干の気が漏洩することによる鬱的(生気に乏しい)メンヘラ傾向があると言えるのです。
また上記のような特性は、姓名構造によっても出ますので注意が必要です。原局においては官や食傷が大過していなくても、姓名においてそれらが強すぎることにより、結果的に上記のような傾向となることもあるでしょう。
ちなみに日干が大変弱くても、食傷・財・官のバランスが良い場合は、上記のような特性が出ません。なぜなら、食傷->財->官というように相生していくためです。ただしそれでも、印や比劫が弱すぎる場合は、気質は意志弱く薄弱傾向となります。
あと、印の大過も精神薄弱傾向となります。なぜなら、印は『思考・インプット』を司るため、とにかく考え込んでしまうことが多いのです。このため比較的小さなことをクヨクヨ考えすぎてしまい、その結果鬱になるといったこともあります。
そして上記のような気質の傾向が、勉学・仕事・対人関係などにおいて、ダイレクトにあらわれますので、それらの特性を活かすことも大切です。
逆に、メンヘラ傾向が全くないタイプ
これはあえて言うと、比劫と食傷のバランスが良いタイプです。強さで言うと、比劫が6:食傷が4くらいのバランスだと(もちろん財・官があっても良い)、メンヘラ傾向の全くない性情になると思います。
ちなみに比劫だらけの人も、メンヘラ傾向は全く感じられませんが、少々自己中心的で自我が強すぎるため、食傷や財が適度に必要です。特に食傷が適度にあると、食傷のもつ良い特性が加わり、また比劫のもつ自我や意志の強さも備えるため、強くバランスの良いメンタルの持ち主になります。