GACKT(ガクト)さんの命式解命
先日虎の舞の方にガクトさんの記事を書きましたが、先天運の解説をしていませんでしたので、こちらにガクトさんの解命結果および喜神・忌神について紹介したいと思います。
早速見ていきましょう。
ガクトの格局と喜忌推測
以下にガクトさんの命式を載せますが、時柱不明ですのでますは三柱から推測することになります。
天干 | ? | 辛 | 戊 | 癸 |
---|---|---|---|---|
地支 | ? | 丑 | 午 | 丑 |
これを見てすぐに身強だと考えてはいけません。なぜなら、戊・癸の干合があるためです。これはガクトさんの命式を読み解く上で極めて重要な干合です。
木 | 0 |
---|---|
火 | 約10 |
土 | 約14.7 |
金 | 約1.7 |
水 | 約3.3 |
たしかに上記命造をそのまま見ると、戊土一干・丑土二支ありますので土が最強となっており、日干は強いことになります。しかし、干合を加味するとその力量はどうなるでしょうか?
天干 | ? | 辛 | 戊(丙) | 癸(丁) |
---|---|---|---|---|
地支 | ? | 丑 | 午 | 丑 |
この戊・癸の干合は、成立すれば火化しますが、地支が午・火旺であるため成立しており、火化します。その結果、五行の力量は以下のようになるのです。
木 | 0 |
---|---|
火 | 約20 |
土 | 約10.7 |
金 | 約1.7 |
水 | 約1.3 |
すると、火の力量が20となり、火が最強となったことが分かります。つまり、日干の力量(約12)を官の火(約20)が上回ったため、三柱での判断は身弱となるのです。
しかし、時柱にさらに丑等がくるとなると、土の力量も17以上となりますので、日干強弱は定め難いところがあります。このため、ガクトさんの命式は三柱で即断できるものではなく、事象との照合が必要となります。
ガクトさんの先天運喜忌解命~事象の考察
そこで次は、原局の判断が本当に正しいものかどうか、事象と合わせて考察していきます。以下、ガクトさんの事象を追っていきましょう。
- 幼少期の運勢について
- ざっくりとしていますが、ガクトさんはその幼少期において、非常に辛かったという趣旨の回想を著書等でしています。両親からもスパルタ教育を受けており、心身共に大変辛かったようです。また、体が病弱だったということも言っていました。このことから、ガクトさんの幼少期には忌神が巡っていたと考える事ができます。そして実際はどうかというと、9歳~の第一運に【丁(火)巳(火)】が巡っていました。このことから、火が忌神である可能性があります。ちなみに官の火は日干を剋すため、スパルタ教育(ガクトさんを虐め・苦しめる)の事象と合致しています。
- MALICE MIZERおよびソロデビュー時の運勢について
- 概して芸能人等はデビューした時期によく喜神があらわれているものです。このため、ガクトさんがMALICE MIZERに加入し、その後有名になった時期は喜神があらわれている可能性が高いと言えるでしょう。ガクトさんがMALICE MIZERとして活躍していた時期は1995年~1999年、そしてソロデビューをしたのが1999年でした。その時の大運をうかがうと、【丙(火)辰(木・土旺)】であり、特に土旺の時期が占めていたことから、土が喜神である可能性が高いことが分かります。辰は湿土ですので、強い火を納め、日干の辛金を生じるためです。
- ソロデビュー後の活躍
- ソロデビュー後の活躍は皆さん知っての通りです。2002年からは【乙(木)卯(木)】木旺運へと入りました。三柱での判断だと忌神であるはずの木ですが、経歴を見ると概ね順風であり、また大きな病気なども見られません。もし木が忌神である場合、これには二つの理由が考えられます。それは、まず虎の舞でも語ったように姓名位相が高いこと(姓名位相が高いと忌神を忌むことがありません)。それから、大運の地支・卯が時支と合去する場合です。卯が合去する場合、卯による忌の作用は消えますから、当然忌神運とは言えなくなるのです。
- 病気によって「無期限休止」の時期
- そして最も注目したいのはこちらです。2021年9月のことでしたが、ガクトさんは突如体調不良を理由に活動を休止しました。この時の大運が【甲(木)寅(木)】木旺運なのですが、ただの忌神運として見てはいけません。よく見ると、寅が原局の午と火局半合を形成しています。また、天干の甲木も火を焚きつけるのに最適であり、この時火の力量がさらに+10程度増していたのです。加えて今年の流年も【壬寅】ですので、火の力量はプラスアルファ。ということは、三柱での判断でも火の力量は40ほどとなっており(火が40に迫ったのは2022年春~夏頃です)、私が判断する命が危険なレベルにあったということです。しかも、ガクトさんの姓名(大城ガクト)にも二つの火があるため、これが原因で火が大過し、不及となった金の病気を発したということが考えられるのです。また、2022年9月から大運が【癸丑】に入り、その後復帰してきたことも土が喜神であることを示しています。
以上、少し早足でしたがまとめると日干身弱である可能性が高いという結論に至りました。※ちなみに原局では日干身強であっても、大運・流年によっては身弱となる事もあり、ガクトさんもそれに当てはまる可能性はあります。
ガクトさんの先天運喜解命結果
それでは、以下にガクトさんの解命結果を示します。
- 日干:辛金
- 日干強弱:身弱(平~小弱程度)
- 用神:己土
- 喜神:金・土
- 忌神:火・木
- 閑神:水
- 調候:壬水
このようになると思います。【甲寅】はガクトさんにとって火が倍加するため非常に忌むということでした。しかし、【乙卯】は火化しませんので大きく忌むことはなかった、ということになります。このように、同じ木旺でも作用が全然違いますので、よくよく注意してみていただく必要があります。
-ましてや、木が偏財だからどうの、正財だからどうのという判断は全く当たるものではなく、検討違いの方向に行ってしまい運勢を知るどころか迷路に入りますのでご注意ください(そのような生剋名で単純に判断してしまう占い師が大勢います)。
まずは命式や大運における干合・支合・冲・合去などを見ることが先決であり、これが分からないと全て間違えてしまう可能性があるという意味です。