自分の環境や境遇からそれぞれの運勢(位相)を推測する方法
今回は原局における喜忌が分からなくても、自分(もしくは誰か)の境遇からそれぞれの位相を推測する方法について解説致します。
この方法は別に原局の解命ができれば知らなくてもよいものですが、原局の解命ができない、もしくは原局の喜忌が分からないという人には役に立つでしょう。また、既に原局の解命ができている人においても、これからお知らせする情報と照らし合わせることで、より一層理解が進むものと考えています。
五種の運勢とは
まず、五種の運勢について以下に示します。よく『運勢』とは言うものの、これは一つではありません。たとえば健康運(健康運位相)は良いが、財運(財運位相)は低い人もおり、その場合は単純に運が悪いと言っても正確ではありません。
ずっと貧乏だが、健康だけは良くて長寿だった、という人は結構いるのです。反対に、もの凄いお金もちだが、病気で早死にしたという人もいます。あるいは貧乏で、しかも病弱で、孤独のまま死んでいったという人もいるのです。
幸い四柱推命では、五種の生剋名から、五種の運勢を知ることができるのです。
- 健康運
- 才能発揮の運(仕事運)
- 財運
- 社会運
- 対人運・援助運
このように五種の運勢を示すことができます。つづいて、以上の運勢と生剋名をつなぎあわせてみましょう。
五種の運勢と生剋名の関係
それでは、今度は先ほど示した五種の運勢と生剋名をつなぎあわせてみましょう。
- 健康運:印・比劫のバランス・調候用神の有無
- 才能発揮の運:食傷のバランス
- 財運:財のバランス
- 社会運:官のバランス
- 対人運・援助運:印のバランス
ということが言えます。しかし以上は普通格局の場合であり、もし特別格局の場合は見方が少し異なりますので、以下より一つ一つ見ていきましょう。
健康運:印・比劫のバランス・調候用神の有無
健康運が強い人は、普通格局の場合は印と比劫のバランスが良く、日干強弱が平強~小強程度です。このため、健康運が悪いという人は、印・比劫の状態を見てみると良いでしょう。最も健康運が弱い人は日干が過弱であり、官が大過しているタイプです。
ただし、従格の人は比劫のバランスではなく、喜神が強い状態が喜となる点に注意してください。たとえば従旺格の人は比劫が強い時、また従財格の人は財の強い時期が健康状態も良好となります。
それから、印・比劫の状態の他にも、調候の状態が健康に強い影響を及ぼします。日干強弱が適度であっても、原局において調候不良であり、なおかつ大運・流年に調候が巡らない時期は健康に問題があらわれるはずです(調候の状態が最も健康に影響を及ぼすという見方もあるほどです)。
才能発揮の運:食傷のバランス
才能発揮の運と書きましたが、才能運としても良いかもしれません。食傷は表現力や才能発揮を象徴する干であり、これは食傷が自我(日干)から生じられるためです。
このため、表現者・芸術家・作家などで成功した人は食傷のバランスが良い傾向があります。バランスとは、日干と食傷のエネルギーが同じくらいか、少しだけ食傷が強い人が最も才知鋭敏・才能発揮の暗示となります。もちろんこれは原局だけのバランスではなく、大運もあわせて見てください。
ただし従児格の人は、食傷が強ければ強いほど良いのです。
食傷のバランスが良くても財が全くない人は、才能・表現力はあるが財を稼ぐことには無関心なタイプとなるでしょう。
財運:財のバランス
財運が著しく弱い人の場合は、大体原局や姓名に財干がない人が多いのです。また、比劫が非常に強力であることも多く、なぜなら比劫は財を剋すからです。
余談ですが私の両親は財干が極めて弱く、そのためお金にはずっと苦労してきています。
したがって、やはり日干と財のエネルギーが同程度か、少し財が強いくらいが理想的なバランスとなります。特に食傷と財があり、そのバランスが適度な人は才知あり、なおかつ財を稼ぐ能力も高いということになりますので、将来有望なタイプです。
なお従財格の場合はバランスではなく、財が強ければ強いほど良いのです。
社会運:官のバランス
社会運は社会的地位や名誉を暗示します。これは官のバランスによって見ることができ、もしサラリーマンで官のバランスが良ければ出世運あり、またフリーランスならよく成功し名が知られる暗示となります。
このため、財のバランスも官のバランスも良い人は、仕事で財を得、それによって社会的地位や名誉も向上するという流れとなります。いわゆる成功者は、この財官のバランスが良いタイプと言えるでしょう。
なお従殺格の人は、官が強ければ強いほど社会運も良好となります。
対人運・援助運:印のバランス
印は日干を生じるものです。このため、自分を助けてくれる人がどれくらいいるのか?という援助運を象徴する生剋名でもあります。したがって、印が皆無の人というのは孤独であることが多く、援助運や家庭運に恵まれない傾向があるのです。
また、印が過剰に強い場合は、たとえば母親の過保護のために惰弱となったり、あるいは周囲の人々(家族や知人など)が逆に苦しみの種となることが多いでしょう。印は母親を象徴するため、印が欠如している人は母親との縁が薄い傾向もあります。
ただし、従旺格の人は印が強いほど境遇運にも恵まれる暗示となります。
改名による開運法
以上、5種の運と自分の境遇を照らし合わせ、アンバランスとなっている五行や生剋名を知ることで、これを開運に活かすことができます。姓名においては、足りない五行エネルギーを補うこと、また将来の大運の動向を読み、アンバランスとなる五行を補うと良いでしょう。
既に自身の先天運を解命しており、喜忌を知っている方も、これまであるいは現在の境遇と自分の先天運を照らし合わせることで、その結果が正しいものか否かが分かるでしょう。
また、強めたい運勢に的を絞って姓名を考案することも良いでしょう。