神田沙也加さんの先天運解読
『2021年12月18日、体に血がついた状態で札幌市内ホテルの14階の屋外スペースに倒れていたところを発見され意識不明の状態で病院に搬送され』という突然のニュースに驚かされました。神田沙也加さん享年35ですが、命式の構造は以下となっています。
神田さんの格局は普通格局で確定
天干 | ? | 戊 | 丁 | 丙 |
---|---|---|---|---|
地支 | ? | 寅 | 酉 | 寅 |
神田さんは、日干・戊土であり、月支・酉月のため食傷の金が月令を得ています。しかし、命式内には丁・丙・寅など、火をもつ干支が多く存在していることが分かります。
このため、神田さんの命式は普通格局確定となります。なぜなら、財と印が混在するこの時点で、既に従財格となる可能性はないからです。従財格にならない場合は、必ず普通格局となります。
格局ですが、酉月において辛が司令しているため、神田さんは傷官格となります。
神田さんの命式における五行力量
つづきまして、命式・六柱における五行の力量を数値で出してみましょう。これによって日干の大体の力量が掴めます。
木(死) | 2.7 |
---|---|
火(囚) | 5.3 |
土(休) | 5.0 |
金(旺) | 10,0 |
水(相) | 0 |
以上となります。金旺ですので、金は月支の酉のみですが、10の力量があります。これに対し、日干を生助する火は5程度、比劫の土は5程度あるため、日干は弱くありません。また死令の木がありますが、蔵干に火をもつ寅木のため、実質は火がより強くなっていることを考えると、火の力量は8以上はあるものと思います。
したがって、六柱だけでも身強と判断できます。しかし、やはり金旺生まれのため、時柱が分からない場合は日干強弱は定め難く、事象と大運をうかがう必要があります。
そこで、神田さんが死亡した当時の大運を見てみましょう。それは【甲午】であり、午は火の旺支であるため、非常に火のエネルギーが強い大運です。このため、死亡時において火が忌神化していたことは明らかです。なぜなら、午火は甲木を燃料として非常に強く燃えるからです。
このため神田さんにとっては火・土が忌神である可能性が高いと言えるでしょう。しかし、もう一つ重要なポイントがあります。
ポイントは寅!原局において大過でなくても、大運によって大過・大忌神化する例
実は、原局において喜神や閑神であっても、大運や流年運によって忌神化する例というものがあります。神田さんの命式のように、金旺生まれの場合、火はそれほど強くありませんが、大運に巳・午・未など火旺の地支が巡ると一気に火が強くなり、突如忌神大過となることがあります。
そこで、現在の大運をあわせた五行の力量を計算してみましょう。もちろん時柱不明のため六柱での判断とはなりますが、数値を出すことで、どれくらい火が強まっていたかと言うことが分かります。
以下が、先ほどの原局の力量に、大運の力量を加えたものです。
木 | 1 |
---|---|
火 | 30 |
土 | 5 |
金 | 5 |
水 | 0 |
30というとんでもない数値が出てきましたが、これは寅と午の作用によるものです。実は、神田さんの原局と大運では、寅・午・寅という火局半合以上が成立しており、これによって火が30と明らかに大過していたのです(ただし時柱の構造によっては、もう少し火の力量が弱い可能性もあります)。
数値の計算方法ですが、寅・午・寅の火局半合は蔵干二火となるため、3x2=6。この6に、旺相死囚休の循環率である旺の5を掛けます(6x5=30)。これは単純な言い方をすると、地支に寅が二つある人は、午の大運に気をつけろということになります。
したがって、もし寅が一つであれば火の力量は20程度に留まっていました。しかし、もし時支も午であったと考えると、40の力量となりますので、それは恐ろしい程の大過です。そして日干・戊土で火が炎上する場合は、いわゆる火炎土躁という状態となって、五行の現象としては土が焼き尽くされてしまうことになるのです。
このように、たとえ原局における火がそれほど強くなくても、原局と大運との作用によって突如大過する可能性があるということは覚えておいてください。そして流年運では、来年から【壬寅】ですから、現在は徐々に木や火のエネルギーが高まってきている状態だったのです。
神田さんの姓名に多く存在する土と火
このように火が大過する状況では、当然火のエネルギーを弱めなければいけません。そこで姓名の構造ということが重要となるのですが、何のいたずらか神田さんの姓名は土と火が強い状態となっており、忌神をさらに生じ強めるという忌神に忌神を重ねるような凶作用がありました。
虎の舞の方でも少し書きましたが、神田さんの三才は【土・火・土】と忌神が強く、なおかつ五格に一点の水もないことが最も憂慮されます。火強の場合は、必ず水が有用となります。
すると、神田さんの喜神・忌神は以下となるでしょう。
- 用神:壬水
- 喜神:金・水
- 忌神:火・土・木
火強のため、木はほとんど忌神と考えて良いと思います。特に甲木は発火作用があるため、火旺の大運の元では間違いなく忌神です。そしてとにかく水が生命力確保のために必須の命です。
印大過と自殺との関係性
神田さんの死の原因については不明のままですが、印の大過と自殺には大きな関係があり、これは印が大過していた女優の竹内結子さんにも当てはまるものです。
生剋名において、印は【精神】を象徴するものです。すなわちこの印がアンバランスとなる時は、精神がアンバランス(不安定)になる時であって、わずかな事象であっても心が乱れやすい状態となっています。
このため印の大過は、身体的な病よりも、精神的な病に罹りやすいタイプとなるのです。そして特に【精神】という部分では、印は不及よりも大過の時に凶となるようです。
そこで、どの程度の力量になると『大過』なのか?ということですが、大体20を目安に考えていただくと良いでしょう。ですから原局においても、特定の五行が20以上となる場合は、やや大過していると考えてください。実際は、以下のように分別します。
- 20以上 - やや大過
- 25以上 - 大過
- 30以上 - 超大過
これを元にすると、神田さんの現在の印の力量は30以上となりますので、超大過に当たり、それが忌神であれば命に危険があるレベルと言えるでしょう。姓名の火のエネルギーを加えると、さらにプラスとなります。
ちなみに大過することが必ずしも悪いわけではなく、従格であれば喜神が大過することはむしろ喜となります。あくまでも大過した五行が忌神であるか否か、この判断を適切に行うことが命運を見極めるために重要となるわけです。