食傷と官が大過する病弱波乱の命式実例
今回は食傷と官が大過する病弱波乱の命式実例を紹介したいと思います。先日虎の舞へ改名のご依頼があった中年の方ですが、若くから病弱(胆嚢・肝臓・関節・視力悪い)・貧しい・結婚無しという境遇で、今後はどうにかしなければならないという強い思いからご依頼をいただきました。
その方の命式なのですが、実はご依頼当初は生まれた時間が曖昧で、お昼頃(13時)とのことでした。なんでも生まれた時間は母親にお昼頃と言われたそうで、特に詳しく調べることもなく、13時と表記されていたのでした。
それで出した命式が以下となります。
天干 | 丁 | 壬 | 癸 | 壬 |
---|---|---|---|---|
地支 | 未 | 寅 | 卯 | 子 |
これだと、丁・壬が月支・卯月のため干合して木化。また、木を剋する金が皆無のため、真の化木格になります。すると喜神は水・木・火・土で、忌神は金のみとなるのです。かなり珍しい格局です。
化木格では辻褄が合わない理由
しかし、お知らせいただいた事象と照らし合わせると、どうもおかしい。ある年から健康が少し良くなってきたと教えてもらったのですが、その頃の大運をみるとちょうど申金が巡っていたのですね。もし化木格であるのならば、金が巡ると破格のため、運勢も健康状態も悪くなるので、それだと辻褄が合わないのです。
また、その方は木の部位の病難が多かったのですが、もし化木格となる場合は木が喜神となるため、木の偏りを忌みません。すなわち、木の部位に病難が多いということは、木が忌神である可能性が高いということですので、やはり化木格ではない可能性があったのです。
それで、これはおそらく化木格ではないなと考え、12時代の生まれとして仮定してみました。その命式が以下です。
天干 | 丙 | 壬 | 癸 | 壬 |
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地支 | 午 | 寅 | 卯 | 子 |
上記ですと、普通格局の食神格となります。その理由は、当然ですが日干が干合しないこと。それから、命式は財の木が強いため従財格となる可能性もあるのですが、比劫の水が天干・地支に透っているため、従財格は不成となるためです。
このため日干は壬水で、月支・卯月(分野・甲)のため、食神格となります。食神格ですと、木・火大過の身弱。水はある程度強いといっても食傷の木にエネルギ-を奪われていますし、午・寅の半合によって火も大変強く、水は干上がっています。
そして食神格となりますと、喜神は金・水となるため、教えていただいた情報と辻褄が合います。食神格の身弱のため、喜神は印と比劫。つまり金と水が喜神となるため、申金は当然喜となるのですから、病が回復に向かっていったのも当然なのです。
鑑定後、生まれた時刻が発覚
上記のとおり、鑑定結果としては12時代の生まれだと思うということでご提示をしたのですが、ご依頼者様からその後『母親に連絡して生まれた時間を調べてもらいました』とメールをいただき、やはり12時代の生まれであることが発覚しました。
正直少しドキッとしたのですが、当人はより驚いたようで、生まれた時間がそこまで影響するのかと怖い気持ちになったとのことでした。
それでご依頼者様の病難暗示については、やはり先天運において食傷の木と官の火がやや大過。これに加え、これまでの大運をうかがうと幼少期~中年期まで忌神運が続いていたため、病弱波乱の傾向があったのです。
加えて、姓名にも忌神の木多く、なおかつ三才も相剋多しということで、健康運が非常に弱く、特に木や火の部位に病難を発していたのでした。なお姓名には四大運に吉数がありましたので、やはり先天運とのバランスや三才が悪いと、吉数があっても全然吉祥を発揮しないことがこの事例でも分かりますね。
またご本人曰く、これまで恋愛結婚に恵まれることなく良縁が欲しいとのことでしたが、財運は日干と財干のバランスが重要です。この点、ご依頼者様の命式は財の火が大過しており、なおかつ結婚期である20代~40代に強い火が巡って財がアンバランスとなっていたため、結婚には恵まれない暗示が出ておりました。
このような方の場合、財運や結婚運を強化するのは比劫の水や印の金ですので、姓名にはそれらの五行を中心に配し、三才も良好となる姓名をご提示致しました。今後は晩年まで大運に喜神が巡っていましたので、これは今後境遇が良くなっていき、無事良縁にも恵まれることを暗示しています。