四柱推命旺

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正財・偏財の作用と性質傾向

前回から大分時間が空いてしまいましたが、生剋名による性質傾向の解説ということで、今回は財を取り上げたいと思います。

ご存じの通り、生剋名・財には正財と偏財の違いがあります。正財は日干が剋する干であり、なおかつ陰陽が異なるもの。偏財は日干が剋する干であり、なおかつ陰陽が同一のものです。たとえば日干が甲木であれば、己土が正財、戊土が偏財となります。

財の作用には、日干から剋される・食傷から生じられる・財を助ける・官を生じる・印を剋すといった5つの作用があり、これらの作用が財の特質や性質傾向としてあらわれます。それではまずは、財の基本性質について見ていきましょう。

財の基本性質について

財の性質について、最も重要なことは日干との関係です。すなわち財は『日干が剋す・日干から剋される』という性質をもっており、これが財の本質です。

なお当然のことながら、財から見れば『日干から剋される』という視点になりますが、日干から見ると『財を剋す』という視点になります。生剋名の性質を語る際には、必ず日干(自身)からの視点が重要となりますので、『日干が剋する干』というのがポイントとなります。

このような基本的な作用を踏まえると、財の基本性質は以下となります。

  • 財は、日干の行動や活動を象徴する
  • 財は、労働等財を得るための活動を象徴する
  • 財は、食傷(才知・アイディア・思念等)によって生み出され、強化される

財を語る上での最も重要な視点は、日干が直接的に働きかける生剋名は食傷と財の二つだけであるという点です。このうち、食傷は日干が生み出すもの、そして財は日干が剋するものでした。このため財は食傷とともに、行動や活動を象徴する生剋名なのです。

食傷と財の違いは、食傷がアイディアや才能・思念を象徴するのに対し、財は労働や社会的な活動など、より具体的な行動を象徴します。このため、『行動・活動』という点では財のほうがその傾向顕著となるのです。

また、財は食傷によって生み出される・強化されるという基本的作用があります。これは、財のエネルギーは才能・知力・アイディアなどを象徴する食傷によって生じられるということですが、当然のことながら才能・知力・アイディア力は財を得るための大きな力になります。

なお正財と偏財の違いは、陰陽の違いにあります。日干からみた場合、陰陽が異なる正財よりも、陰陽が同一である偏財のほうが剋す力が強くなるため、財そのもののエネルギーということでいえば、正財よりも偏財のほうが強いということになります。

財の具体的な性質傾向

それでは一歩進んで、財の具体的な性質傾向について見ていきましょう。当然のことながら、命中に財があっても、その財が弱いのか強いのか、また日干が財と比べて弱いのか強いのかといった様相が財の働きを大きく変えるため、命中に財があるからといって一概にすることはできません。

とはいえ、財特有の性質傾向というものがありますので、まずはそれについて解説してみたいと思います。以下をご覧ください。

  • 財干が強い人は、金銭に対しての意識が強い(経済観念が発達している)
  • 財干が強い人は、行動的である
  • 財干が強い人は、せっかちで、やや攻撃的な点(特に食傷がなく、財だけが強い場合)がある
  • 財干が強い人は、社交的な傾向がある

このような傾向が財干が強い人にはあります。これらは概して財干が強い人の特徴ですので、大凡身弱であれ身強であれ財干がある程度強い人には以上のような特徴があります。逆に言えば、財干が弱い人はこれらの性質傾向が弱いということです。

先に解説したように、財は最も行動力のある財干ですので、じっとしていることは好みません。常に自ら積極的に働きかけ、何らかの効果を得ようとしています。このため財が強い人は行動範囲や交友範囲も広くなる傾向があるのです。

また、財干はご存じのように『財』を象徴する生剋名です。このため財干が強い人は金銭に対する意識が強く、財を稼ぐことに対して積極的かつ行動的です。しかし、身弱・身強の違いで随分とその行動の仕方が違ってきますので、これについても解説しておきたいと思います。

身弱・身強による財干の作用・性質の違いについて

普通格局の身弱の場合、財干は忌神となります。たとえば日干が甲木であり、命中には土が沢山があるが、木や水は弱いといった状態です。このような身弱の場合は、日干のエネルギーが弱いのに財干が著しく強いということですので、基本的に財運は弱くなります。

財運の強さは、普通格局であれば日干と財干の力量のバランスで計ります。つまり身弱であれ身強であれ、日干と財干のバランスが適度であれば、基本的な財運は良いということになります。つまり身強であっても、日干が著しく強く、財干が著しく弱い場合は財運は弱いです。

日干が弱く、財干が強い場合

日干が弱く、財干が強い場合は典型的な『労多く功少なし』の状態となります。財に対する意識は強いものの、日干のエネルギーが弱く、また食傷も忌神のため、稼ぐ手立てがなく疲弊するような状況です。

このようなタイプの場合、稼ぐためにギャンブル等投機的な稼ぎ方に手を出し、破財することが多いでしょう。またもらえる賃金は常に安い傾向にあり、概して雇われの身となりますが、大運にて強い比劫や印が巡ってくる時期は金運が良好となります。

また身弱で財が強すぎる人は何事もあまり考えずに行動する傾向があり、これが財運を弱くしているようです。

日干が強く、財干が弱い場合

こちらは比劫大過にてエネルギーはとても強い状態です。比劫は財を剋すものでした。つまり剋すもの大過ということは、稼いでもすぐに使ってしまうということで、浪費癖があるタイプと言えます。

また財浅の人はあまり金銭に対して執着しない、つまり財に無関心なところがあり、これも手伝って基本的な金運はあまり良くありません。しかしこのタイプは強いエネルギーがあり、また主体性と独立心が強いため、会社の経営者などに多く、財の大運に乗じると大きく稼ぐ傾向があります。

最も財運が強いタイプとは~稼ぐ能力を見極める

財干を語る上でやはり気になるのが財運の善し悪しです。財運の強さは、普通格局では日干と財干のバランスが重要であることは先ほども述べました。それ以外に幾つか財が活きるためのポイントがありますので、以下にまとめておきます。

  • 1つ~2つほど日干と有情な財があり、日干と財干のバランスが適切(身弱・身強を問わない)
  • 財干を生じる食傷が適度にあること(大過しないこと)
  • その上で、官・印相生であればなお良し
  • 喜の大運を渡ること

以上の四つが財運が強いタイプの最も重要な点です。まず一つ目は、日干と財が有情という点がポイントです。一点しか財がなく、それが年柱ということだと、財の働きは弱いです。日干と財が近接しているということは、日干が直接的に財に働きかけるということなので、財の働きがより活発化するのです。

また特に重要なのが食傷の有無。もし比劫がある程度強い場合、食傷がないと財を強く剋してしまいます。この状態は破財や財の消耗を意味するのですが、食傷があることで比劫と財の緩衝材となりますし、食傷は財を強化するため、無論吉となります。また食傷が適切な人は、一生お金や衣食住に困らないともいわれています(身強であり、なおかつ食傷が喜神の場合)。

ただし食傷・財だけが突出して強いだけでは喜命とはなりません。財が官を生じ、官が印を生じ、印が日干を生じることを考えると、やはり財干に加えて官・印がある命が最も喜命となります。また官があることによって、単に財を稼ぐというだけではなく、名誉・地位を得る暗示となります。

そして喜の大運を渡ること、これも重要です。いくら命式のバランスが良くても、忌神の大運を渡る場合は五行バランスが崩れるため、当然財運は弱くなるためです。

また、財がない、あるいは財が強すぎるという場合は姓名にて財のエネルギーを補うことで財運向上を図ることができます。

その人の稼ぐ能力を見る

財運というとどことなく金回りの良い人というイメージがありますが、財運の強さは稼ぐ能力に比例します。つまり先ほどご説明した財運が強いタイプの特徴を見ることにより、その人の財運(稼ぐ能力)をうかがい知ることができるのです。

ここでは作家やYouTuberとしても大活躍中のメンタリストDaiGoさんの命式を見てみましょう。

天干
地支

DaiGoさんは日干・庚の身弱の命ですが、月支には食傷と偏財を蔵干にもつ亥水、そして年支には財の寅があり、食傷と財が並んでいることがうかがえます。これは典型的な財運の強い相であり、才知鋭敏にしてお金を稼ぐ能力(食傷生財)が高いことを示しています。

また年干には官の丙火、そして月干には印の己土があり、火->土->金と官・印相生していることが見て取れます。つまり印の土が活きているため、身弱であっても食傷・財・印のバランスが取れた喜の傾向性が高い命式と言えるでしょう。

時柱が不明ですが、おそらく時柱には印もしくは比劫の根があり、大運に忌神が巡ってもそれほど忌むことのないバランスの取れた命式だと思われます。

従財格について

これは別の機会に解説したいと思っていますが、従財格の場合は日干と財干のバランスで財運を計ることはできません。従財格は『旺となる財に従い、その財を喜神とする』命だからです。

このため従財格の場合は、財は強ければ強いほど財運は良く、生まれながらにして強い財運に恵まれていると言えるでしょう。従財格で代表的な人は木村拓哉さんです。ただし従財格は破格というものがあり、忌神運期は財運が大きく低下するのも特徴です。