四柱推命旺

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羽田雄一郎さんの日干強弱と喜神・忌神

羽田雄一郎さんは2020年12月27日16時34分、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のため、救急搬送された東京大学医学部附属病院で53歳という若さで死去したと伝えられました。そんな羽田さんの命式を早速解命していきましょう。

羽田雄一郎さんの日干強弱

以下が羽田さんの生まれた1967年7月29日の六柱です。

天干
地支

羽田さんは日干・甲木であり、生まれは未月の土旺の生まれです。ご存じのとおり、丑・辰・未・戌など土の地支は全て、後半に土旺の時期というものがあり、これが命式解命において極めて重要となります。

羽田さんは7月後半の29日生まれですので未月・土旺です。つまり日干の甲木に対しては未の蔵干の己土、つまり正財が月令を得ているということになります。

そして命式を見渡しますと、時柱以外はすべて火と土によって構成されています。火・土は日干・甲木にとっての食傷と財ですので、日干は身弱であることは明らかであり、見るからに病弱そうな傾向が見られます。以下、六柱における五行別の力量を見てみましょう。

五行力量
3.3
14.0
13.3
0
0

とこのようになっております。このため身弱は明らかですが、一応日干と同一五行の木が旺となる時刻に生まれた場合を観察してみたいと思います。

天干
地支

以上は卯の刻生まれですが、天干に丁火があらわれ食傷大過の身弱。この場合は比劫の卯があり、なおかつ午・未が合去するため従格ではなく傷官格となります。

天干
地支

また寅刻生まれの場合はご覧のように炎上します。寅・午が火の半合を形成しますので、午・未は合できず。この場合は食傷大過の身弱ですが印・比劫皆無のため従財格となります。

以上から明らかなように、羽田さんは何時生まれでも身弱となる命です。

羽田雄一郎さんの格局判断

この格局判断が大変重要なポイントとなります。なぜなら羽田さんの命式は、先ほども触れましたが従格となる可能性があるからです。羽田さんは六柱において、財が月令を得ており、なおかつ食傷と財が極めて強いため従財格となる可能性があるのです。

ここで一つのポイントとしては、未の蔵干に含まれる乙木です。乙は日干・甲に対する劫財ですが、この乙は従財格の妨げにはならないのか?という点を疑問に感じられる方もいるかもしれません。その答えは、『従格となる場合は仮となる』ということです。つまり羽田さんは、従財格となる可能性がありますが、やはり未に乙木を含むためもし従財格であっても必ず仮になるということです。

それでは次に、何時生まれであれば従財格となるのでしょうか?まずは従財格となる条件を見ておきましょう。

従財格の条件

  • 財が月令を得ること
  • 財が重々とあること
  • 有力な印、もしくは比劫がないこと

となりますので、羽田さんが従財格となる時刻は以下のいずれかとなります。

寅刻生まれ

天干
地支

先ほども挙げた寅刻です。食傷が大過し、なおかつ財が月令を得るため従財格です。

辰刻生まれ

天干
地支

辰刻生まれの場合は午・未合去します。しかしそれでも火と土が重々とあるため従財格です。また辰・未ともに印の木を含むため仮の従財格になります。

午刻生まれ

天干
地支

午刻の場合も午・未が合去しますが火が旺盛となるため従財格となります。

羽田さんが従財格となるのは、以上の三つの刻生まれの場合です。つまり羽田さんは時柱の構造によっては従財格となる可能性があるため、時柱が不明の六柱で格局を判断することはできないということです。このため、格局判断は羽田さんの大運と事象を照らし合わせて推測をすることになります。

羽田雄一郎さんが死亡した歳運から格局と喜神・忌神を推測する

まずは羽田さんが死亡した2020年12月時の大運をうかがってみましょう。羽田さんは男性・陰年干のため大運は逆旋です。すると2020年時の大運は【壬寅】であることが分かります。

少しこの【壬寅】について考察してみましょう。寅は木旺の大運です。もし羽田さんが普通格局であれば喜神は水・木、忌神は火・土・金となりますので、寅木が大運に巡っているということはもしかすると羽田さんの格は普通格局ではないのではないか(忌神が巡っているはず)?と考えるかもしれません。

大運は火を強めているという事実

しかし寅の作用を思い出してください。寅は午と結託して火を強める作用がありました。これは寅の蔵干を見ると即座に分かります。寅の蔵干には甲木・丙火・戊土が含まれており、火に対して強く作用するわけです。とりわけ羽田さんのような火が強い命式の場合は、寅は木としての作用ではなく火としての作用に傾きますので、この大運は実は火を強めていることが分かるでしょう。

これはつまり、大運【壬寅】は日干を強化しているわけではなく、食傷の火を強めているという実実です。そしてこれは羽田さんにとって火が忌神であるという可能性を示しています。

また、羽田さんのウィキペディアには『羽田には糖尿病、高脂血症、高血圧の基礎疾患があり、愛煙家であったという』という記事が載っていますが、これらは全て火や土の関する部位や事象です。このため羽田さんの先天運は火・土大過、そして火・土忌神であるという推測が有力と言えるでしょう。

従財格の可能性は?

とはいえ、羽田さんが従財格である可能性も拭えません。なぜなら、仮の従財格の場合は、大運に印(水)や比劫(木)が巡る時期は格局が変化するためです。もし羽田さんが従財格である場合は、【壬(水)寅(木)】運は命式を破格にしているため、普通格局の傷官格もしくは正財格になります。

つまり従財格の場合、【壬寅】の大運期は火・土・金が忌神になるわけであり、つまり羽田さんはどちらの格局であってもこの時期は火・土が忌神となるのです。

羽田雄一郎さんの解命結果

少し説明が分かりづらくなってしまいましたが、結局羽田さんの命式は事象・大運から推察すると普通格局・従格どちらにもなり得るわけであり、これが解命を難しくしています。

ただし私の判断では、普通格局となる時刻生まれである可能性のほうがが高いこと、また羽田さんが火・土に関係する持病をもっている、という点から、普通格局である可能性が高いと判断しています。このため、解命結果は普通格局として示しておきます。

  • 日干:甲木
  • 格局:傷官格または正財格
  • 日干強弱:身弱(中弱以上確定)
  • 用神:壬水
  • 喜神:水・木
  • 忌神:火・土
  • 閑神:※食傷大過の場合比劫の木は閑神、官の金も閑神となる
  • 調候:壬水

今回は羽田さんの命式の構造により、普通格局になるのか、または従格になるのかがいまいち判然としませんでしたが、【壬寅】の大運期にて食傷の火と財の土が忌神となることだけは確かです。

そして私の考える歳運と命式の五行作用としては、まず寅が午・未を解合、さらに流年運の子生寅、さらに寅生午にて食傷の火が大過し、日干の甲木が燃え尽きたと判断しております。