四柱推命旺

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日干の身強・身弱の判断方法~四柱構造から日干の強弱を決定する

前回までの解説で、四柱における正確な五行エネルギーが分かりました。五行それぞれのエネルギー量が判明したことで、日干の五行のエネルギーもはっきりとしたわけですから、これで日干の強弱判断がすぐにできそうなものです。

しかし、最後にやるべきことがあります。それは、四柱構造から日干と他の干支との関わりあいを見、最終的な日干の力量を判断するという作業です。

ここからは、その方法を具体的に解説していきます。まずは、前回の記事で明らかになった私の命式の五行別力量から、日干の強弱を判断していきましょう。

日干の強弱には段階がある

まず知らなければならないことは、日干の強弱には段階がある、ということです。巷の四柱推命では、概して単純に身強・身弱と白か黒のように割り切っていますが、これは実は賢明な方法ではありません。なぜなら、日干が強いと言っても、それには細かい段階差があるからです。

もちろん身弱の場合も同じです。最も弱い身弱である「平弱(へいじゃく)」から、最も強い身弱である「極弱」まで大きく幅があります。そしてそのような幅があるということは、運勢にも大きな違いがあるということです。一般的には、特に普通格局の場合は、その偏りが大きければ大きいほど運命的に波乱があると考えます。ただし、これには大運の動向も関係してきます。

まずは、日干の強弱の段階を以下に示します。

日干の強弱段階

  • 極強(身強) - 最も強い状態。四柱においてほぼ全てが日干を生助する干支で構成される場合
  • 中強(身強) - 次に強い段階。四柱において多数が日干を生助する干支で構成される場合
  • 小強(身強) - 3番目に強い段階。四柱においては五行バランスが取れているが、日干を生助する五行の力量が優勢な場合
  • 平強(身強) - 4番目に強い段階。四柱においては五行バランスがよく取れており、日干を生助する五行とそれ以外の五行の力量がほぼ拮抗している状態。しかし、わずかに身強と判断できる場合
  • 平弱(身弱) - 4番目に弱い段階。四柱においては五行バランスがよく取れており、日干を生助する五行とそれ以外の五行の力量がほぼ拮抗している状態。しかし、わずかに身弱と判断できる場合
  • 小弱(身弱) - 3番目に弱い段階。四柱においては五行バランスが取れているが、日干を弱める五行の力量が優勢な場合
  • 中弱(身弱) - 次に弱い段階。四柱において多数が日干を弱める干支で構成される場合
  • 極弱(身弱) - 最も弱い状態。四柱においてほぼ全てが日干を弱める干支で構成される場合

私は以上のように八段階で身強・身弱を考えています。完全な拮抗状態、つまり身強とも身弱ともならない場合は現実的にはありませんので、基本的には身強・身弱どちらかに分類されます。また特別格局の従格においては、ほとんどが極強か極弱に分類されます。

ちなみに当サイトのプログラムでは、日干の力量を数値化して以上の段階に当てはめるということを行っているのですが、それを説明していると複雑になるためここでは省略します。

実際に日干の強弱程度を判断する

それではいよいよ、私の命式をもとに、日干の強弱判断を行っていきます。もちろん私の命式も以上の八段階のいずれかに該当します。まずは命式と、五行別力量をご確認ください。

天干
地支
蔵干丙・丁(分野:丁)壬・癸(分野:癸)戊・甲・壬(分野:甲)庚・辛(分野:辛)

以上が私の命式でした。そして、以下が合・冲の作用も考慮した、最終的な五行力量です。

五行天干力量地支力量合計
044
000(※子の冲により-2)
20.666662.66666
6612
53.333338.33333(午の冲により-10)

私の命式においては、地支の子・午が冲去するため、その分火と水のエネルギーがマイナスとなります。よって、最終的には金が最強となりました。これにより、日干と同じ五行である金が最強なのだから、すなわち身強と考えるのは少々判断が早すぎます。

なぜなら、上に示した金のエネルギー量は、金の干支の存在のみによるものであり、五行の生剋を考慮に入れていないからです。当然ながら、五行には生剋生化という作用があるため、これを考慮に入れなければなりません。つまり、四柱構造から日干の力量を補正するということです。

それでは次は、日干の力量を補正する際の考え方について、その概要を以下に示します。

  1. 五行の生剋生化の原則にしたがい、日干の力量を補正する
  2. 日干と近接する干支の影響力は大きく、日干と遠い干支の影響力は小さい
  3. 陽干の作用は比較的大きく、陰干の作用は比較的小さい
  4. 力量を補正する場合は、十干の特性を考慮する

とこのように言うことができます。これまでは五行の力量を数値化してきたのでわかりやすかったですが、この最後の補正作業は見方がやや複雑であるため、数値化することはしません。数値化はできるかもしれませんが、余計に作業が複雑となってしまう可能性があるため、最後は自分の目で見て補正を行います。

まずは、補正後の五行エネルギーを見てください。

五行天干力量地支力量補正による加算合計
04+2(多勢な水による生助)6
000(水による剋)0
20.666660(火による生助なし)2.66666
66+1(土によるわずかな生助)13
53.33333+3(金による生助)11.33333

以上が補正後の値です。日干のエネルギーは最終的に13となりました。以下、五行別に一つずつ解説していきます。

木はもともと4程度の力量ですが、命式では水が強いため、その生助もあり+2です。+2という値の根拠は、天干の壬水と、亥中の壬水の二干を考慮しています。

火は加算されません。理由は金・水が強いため、火はかき消されるためです。ただ火はもともと0のため、変わらず0です。

土は加算されません。理由は火のエネルギーが0であるということです。そして金・水が強いため、土はエネルギーを奪われています。

月干には己土があり、これが近接する日干の庚金を生じていますので、この点は日干にプラスと考えます。ただし土の力量は2.6程度と弱いため、+1ほどと考えて良いでしょう。もし土の力量が5以上であれば、+1.5~2くらいは加算して良いです。ちなみに亥中の戊土は弱く、日干を生助する作用はほとんどありません。

水は強い金の生助を受けてさらに強くなります。金の干は4干ですので、+3~4程度が妥当と言えるでしょう。私の命式の場合は土もわずかにあるため、若干ながら土剋水となり、その分をマイナス1としています。

最終的には日干の金(庚金)が最強となりましたので、日干は身強と判断することができます。ただし、金は水にエネルギーを多く洩らしているため、力量の程度は「小強」となります。

日干が最強でなくても身強と判断できる場合

ここまでの解説を聞くと、それではとにかく日干の力量が最強にならなければ身強とは判断できないと考えてしまうかもしれませんが、日干が最強でなくても身強と判断できる場合もあります。それは、たとえば以下のような場合です。

  • 印が最強となる場合
  • 日干最強とはならないが、五行の力量が拮抗しており、補正した結果としてわずかに日干強と判断できる場合

印が最強となる場合とは、以下のような命式のことです。

天干
地支
蔵干丙・庚・戊(分野:丙)癸・壬(分野:癸)壬・甲・戊(分野:甲)癸・壬(分野:癸)

以上の命式は日干・甲木ですが、月支は亥の水旺であり、なおかつ子水も二支あるため、明らかに水最強です。なお命式に合・冲はなく、五行別のエネルギー量は以下となります。

五行力量
8.0
2.3
3.3
4
23.3

実際に数値を出すと最強はやはり水で、圧倒的に強いことが分かります。日干はそれに比べて弱いですが、8.0あります。水が非常に強いため、補正後の数値は日干(甲木)で13程度あると見ていいでしょう。それでも水よりは弱いですが、印強であり日干を強く生じるため、どう考えても身弱にはなりません。

ちなみに四柱推命の流派によっては、印強身弱となる可能性を説いている人もいますが、私のこれまでの経験では、印強は身強と考えなければ事象と合致しないことがありましたので、印強は身強と考えて間違いないと確信しています。

なお本来であれば様々な命式を例に取って日干の強弱判断を行いたいところですが、記事がとても長くなってしまうため、別の機会に解説したいと思います。