「害」とはなにか~刑・害・破不要論
刑に続いて「害(がい)」について解説をしていきたいと思います。刑・害・破の理論は四柱推命において全く不要なものなのですが、よく知らない方のために、なぜ害が不要なのか?その理由を説明したいと思います。
害は六害(ろくがい・りくがい)とも呼ばれ、しばしば凶作用があるとされます。また人間関係や相性では、相手の地支に害となる地支があると、喧嘩が多くなったり、すれ違いもあるなど、相性の悪い関係として見られることも多いようです。
刑が三合と方合を対峙させた上で、その地支同士を「刑」とするという非合理なものであるのに対し、害は支合の理論より導き出されたものです。このためまずは害となる地支を表示するよりも、支合を見てからの方が理解しやすいと思いますので、先に支合の表を掲げます。
支合となる地支の組み合わせ | 属する五行 |
---|---|
午・未 | 火 |
辰・酉 | 金 |
寅・亥 | 木 |
申・巳 | 水 |
卯・戌 | 火 |
子・丑 | 土 |
以上が支合となる地支の組み合わせですが、「害は支合を邪魔する地支」という意味で害と名付けられました。その根底には、基本的に合を吉とする考えがあるようですが、何度も述べているように凶となる合もあれば吉となる合もあり、支合そのものが吉兆であるわけではないのです。
支合において、相手の地支と冲になる地支が害
以上の支合の地支をよく見た上で、以下の害となる地支同士をご覧ください。
害となる地支の組み合わせ | 理由 |
---|---|
酉・戌 | 戌と卯の支合を、酉が邪魔(冲)するから |
申・亥 | 申と巳の支合を、亥が邪魔(冲)するから |
未・子 | 未と午の支合を、子が邪魔(冲)するから |
午・丑 | 午と未の支合を、丑が邪魔(冲)するから |
巳・寅 | 巳と申の支合を、寅が邪魔(冲)するから |
辰・卯 | 辰と酉の支合を、卯が邪魔(冲)するから |
このようになっています。つまり「害とは支合において、相手の地支と冲になる地支を害とする」ということになります。たったこれだけのことですが、冲が対極に位置する地支同士の衝突であるのに対し、害にはそのような一貫した理はありません。また、「なぜ支合を邪魔するから凶なのか?」という疑問点においても説明ができないため、これが害が不要なものであるという理由です。
また害とは先程も述べたように、「支合において、相手の地支と冲になる地支を害とする」ということでしたが、よく見ると「冲において、相手の地支と合になる地支を害とする」にも当てはまることが分かります。
これは、害が支合と冲の関係から導き出されたもののため、半ば当たり前ではあるのですが、冲を主として見るとその根拠・理由が反転してしまいます。以下の表をご覧ください。
害となる地支の組み合わせ | 理由 |
---|---|
酉・戌 | 酉と卯の冲を、戌が邪魔(合)するから |
申・亥 | 申と寅の冲を、亥が邪魔(合)するから |
未・子 | 未と丑の冲を、子が邪魔(合)するから |
午・丑 | 午と子の冲を、丑が邪魔(合)するから |
巳・寅 | 巳と亥の冲を、寅が邪魔(合)するから |
辰・卯 | 辰と戌の冲を、卯が邪魔(合)するから |
このように見てくると、やはり害には一貫した理がなく、前提条件(合を邪魔する地支が害)すら破綻していることがお分かりいただけたでしょうか?
ということで、害は四柱推命において全く不要なものですから、今後は一切触れないことに致します。もちろん害に凶意などはなく、地支に害となる地支が隣あっていたとしても、全く気にする必要がないことは言うまでもありません。