四柱推命旺

十干と十二支から解命を行う本格的四柱推命の専門サイトです。四柱推命の本質と解命方法を詳しく解説し、ユーザーの皆様の理解を深めていきたいと思います。

旺相死囚休とはなにか

前回は『生旺墓絶(十二運)』についての解説記事を書きましたが、今回は『旺相死囚休(おう・そう・し・しゅう・きゅう)』についてです。実は四柱推命の本質的な理解においては、『生旺墓絶』は重要ではなく、旺相死囚休こそが真に重要な理論と言えるのです。旺相死囚休は四柱推命の原理を支える基本的な理論ですから、まずはじめに理解すべき概念です。

また旺相死囚休は、日干の強弱判断をする際にも欠かせない理論ですから、これをしっかりと理解していないと身旺・身弱の判断を間違える可能性があります。日干の強弱を間違えると、今度は用神を間違えることとなり、すると全てにおいて間違った判断をしてしまうことになります。

このため旺相死囚休を理解することは四柱推命全般を理解するための基礎中の基礎と言えるのです。

私も四柱推命を勉強し始めた頃は、この旺相死囚休についてちゃんと理解しておらず、このために身旺・身弱の判断ができずにいました。いわゆる極端な命式は分かるものの、微妙な命式については判断に迷いを生じてしまうのです。

これが旺相死囚休を理解するようになってからは、日干の強弱判断に迷いを生じることがなくなりました。今回の記事では日干の強弱判断までは踏み込みませんが、その基礎となるものですから、是非しっかりと頭に入れておいてください。

旺相死囚休とはなにか

冒頭の説明で『難しそう』と身構えてしまった方もいるかもしれませんが、実は旺相死囚休は至極シンプル明快な理論です。このため旺相死囚休を覚え、理解することは全く難しくありません。まずは以下の表をご覧ください。

季節月支旺じる五行
寅・卯・辰
巳・午・未
申・酉・戌
亥・子・丑
季節の変わり目辰・未・戌・丑

以上は五行が旺じる季節を示したものです。つまり旺相死囚休とは、木・火・土・金・水の五行が、四季の変化においてそのエネルギーが盛んになったり衰えたりする、その周期を示すものなのです。

すなわち春には木が盛んとなり、夏には火が盛んとなり、秋には金が盛んとなり、冬には水が盛んとなり、季節の変わり目には土が盛んとなりますが、これをその五行が旺じると表現します。そしてこれは旺相死囚休のうちの『旺』に当たります。

ちなみに上記の表では土の地支(辰・未・戌・丑)のみ他とかぶっていますが、土が旺となるのはそれぞれの月の後半(約18日間)です。この季節を土旺(どおう)といいます。

そしてそれぞれの季節別に、その時の五行の力量を単純に示したものが旺相死囚休というわけです。たとえば春を例として示しますと、木は旺、火は相、土は死、金は囚、水は休となります。とてもシンプルかつ明快です。こちらも以下の表でご確認ください。

旺相死囚休意味エネルギーレベル
最も旺じる季節。生剋名は比肩・劫財で、同じ五行同士の関係。5
旺の次に盛んな季節。生剋名は印綬・偏印で、生じられる関係。4
最も生気が衰える季節。生剋名は正官・偏官で、剋される関係1
死の次にエネルギーが弱い季節。生剋名は正財・偏財で、剋す関係2
旺相死囚休のなかでは中間に位置する。生剋名は食神・傷官で、生じる関係3

以上が旺相死囚休の概要です。ちなみに『月令を得る』という言葉を聞いたことがある方もいるかと思いますが、『「月令を得る」とは、日干が旺となる季節に生まれること』です。たとえば日干が甲木であり、月支が寅・卯・辰月の木旺の季節であれば、『月令を得る』ことになります。

どうでしょうか?生旺墓絶(十二運)などよりも、とてもシンプルで覚えやすいのではないでしょうか。また旺相死囚休の理論は整然としていて、生旺墓絶のように矛盾しておらず一貫しています。

なお、季節における五行別の旺相死囚休の有り様を示したのが以下の表です。

春(木)夏(火)秋(金)冬(水)土旺(土)

五行の相剋関係と、この旺相死囚休の理論をあわせて覚えてしまうと、わざわざ表を見なくても分かるようになりますので、暗記するのではなく五行の相生関係と旺相死囚休の対応で覚えると良いでしょう。

すなわち同一関係は「旺」、生じられる関係は「相」、剋される関係は「死」、剋す関係は「囚」、生じる関係は「休」、あわせて旺相死囚休です。

日干の強弱判断と旺相死囚休

冒頭で日干の強弱判断には旺相死囚休に対する理解が欠かせないと言いましたが、それは季節によって日干の旺衰があるため、この旺相死囚休を理解していないと日干の強弱を正確に見極めることができないからです。

たとえば以下の命式を見てください。

時柱日柱月柱年柱

旺相死囚休をしっかりと理解していないと、命式の五行の力量だけで判断をしてしまうことになります。上記の例では、日干は壬水ですが、日干の周囲に火や土の干支が多く存在するため、身弱と判断してしまう人がいるかもしれません。

ところが旺相死囚休の理論では、子月は水旺ですから、日干・壬水はとても強い時期であり、月令を得ています。また地支には子二つ、さらに辰・子の水局半合がおきているため、水の力量は実は圧倒的に強いのです。

日干の強弱判断については、厳密には数値化して判断を行いますが、旺相死囚休を理解しているだけでも上記の命式が身旺であることは分かるはずです。※ただし、月令を得ていても身弱となる場合が稀にあり、旺だからと言って必ずしも身強になるとは限りません。

日干の強弱判断については、また別のページで詳細に説明を行いたいと思います。