四柱推命旺

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命式における天干の変化について(干合編)

命式を出したら、次に天干の変化を見ます。天干の変化には「干合」と「天干の相剋」の二種類の作用がありますが、このうち「干合」という現象について具体的に解説していきたいと思います。

多くの方(占い師も含め)は、恐らくただ「干合がある」「相剋がある」といった風に命式を眺め、その干合・相剋自体から直接的に事象を読み取ろうとするのですが、それは正しくありません。まずは天干が、干合や相剋によってどのように変化したのか?ということを見つめることが先決です。

また、干合に良い作用があるとか、相剋に悪い作用があるといったこともありませんので、干合・相剋自体から直接的に事象を読み取ることは不可能なのです。概してその干合や相剋が良い働きをするのか、または悪い働きをするのかは、命式全体の様相に関わってくる問題であり、日主の強弱判断と格局を定めてから判明することなのです。

たとえば干合から事象を判断することの一例としましては、「干合によって母親を象徴する印が去するため、幼くして母親と離れ離れになる(または離婚の)暗示がある」といったものです。このような判断は、一概に間違ったものとは言えないのですが、四柱の構造によって命式の傾向が大きく変わるため、総合的に見た上でなければそのように断言することは難しいのです。

このため、まずは天干がどのように変化をするのか、またはしないのか、といったことを見極める作業が必要となります。以下、今回は干合による変化に焦点を絞って解説を進めてまいります。

「干合」による天干の変化

どの干と干が干合の関係になるのかは、既に別の記事で解説を行っていますので、ここでは省きます。干合には「去する」場合と、「干合して別の干に変化する」場合の二通りがあります。

干合して化する例

干合が成立すると、二つの干は別の干に変化します。干合の成立条件は、化する五行が季節的に旺であることです。以下にその一例を掲載します。

変化前の天干

時干日干月干年干

上記の命式では、月干の丁と年干の壬が干合の関係にあります。丁・壬の干合は木化ですので、もし月支が寅・卯・辰(木旺)であれば木化し、天干が変化することになります。これを「合化」といいます。合化によって天干が変化する場合は、陰干は化する五行の陰干に、陽干は化する五行の陽干に変化することになります。

変化後の天干

時干日干月干年干

月支が木旺の場合は、上記のように天干が変化します。陰干である丁は乙に、陽干である壬は甲に変化しました。他の関係においても考え方は同様です。

日干が変化する例(変化前)

時干日干月干年干

上記の命式の場合は、甲と己が干合の関係であり、これらは土化するため、もし月支が辰・未・戌・丑の土旺に当たる場合は日干自体が変化します。変化後は以下です。

日干が変化する例(変化後)

時干日干月干年干

このように日干が変化する場合は、日干は甲ではなく戊として占う必要があります。以下に分かりやすいよう、干合別に化する干を表にしておきます。

合化する前の干合化した後の干化する五行
甲・己戊・己
乙・庚辛・庚
丙・辛壬・癸
丁・壬乙・甲
戊・癸丙・丁

化する五行の関係から、己と庚だけは同一五行のため変化がないことが分かります。原則としては陰干は化する五行の陰干に、陽干は化する五行の陽干に変化します。

干合して去する例

干合が成立するものの、化する五行が旺ではない場合、合去して無作用化することになります。この場合は、干合する二つの干は、原局においてはその力量がほぼ無いものとなります。以下にその一例を掲載します。

※なお「日干は去することがない」ため、合化が成立しなくても合去となることはありません。

合去する天干

時干日干月干年干
丁(消え去る)壬(消え去る)

以上の命式は、丁・壬干合の関係であるものの、月支が木旺ではないため合化はしません。このため原局において丁・壬は合去します。ただし、大運や歳運によって、丁・壬の合を解く干があらわれると、この合は解かれることがあります。これを「解合(かいごう)」といいます。

日干は合去しない

時干日干月干年干
丁(去らない)壬(去らない)

以上の場合は、「日干は決して去らない」ため、合化が成立しなくても合去することはありません。またもし木旺の生まれの場合は日干自体が甲に変化します。

そもそも干合が成立しない場合

また、干合が成立しない場合についても見ておきましょう。干合が成立しない場合は、合化も合去もしません。干合が成立しない命式としては、以下のようなものがあります。

時干日干月干年干

上記の命式では丁と壬が干合の関係ですが、よく見ると「壬・丁・壬」と干合の関係がだぶっているのが分かります。日干が去らないということを考慮すると、月干の丁と年干の壬は干合しそうなものですが、この場合は丁を巡って二つの壬が争う状態のため、「干合は成立しない」のです。

このような命式の場合は、壬と丁の単なる相剋として見ます。干合できないため、丁は壬に強く剋されている状態です。このため「干合の関係が重複する場合は合は成立しない」と覚えておいてください。

時干日干月干年干

ただし、上記のような命式の場合は、干合の関係が二つあっても重複するわけではないため、干合が成立します。この場合は月干の丁と年干の壬が干合となります。また時干の壬と日干の丁の関係も合が成立するため、もし木旺であれば木化しますし、木旺でなければ変化ないわけです。

また、別の例についても見ておきましょう。

時干日干月干年干

剋と合が転々とする分かりづらい命式です。具体的には「壬・丙」相冲、「丙・庚」相剋、「庚・乙」干合、という関係にあります。このような命式のように、すべての関係において剋や合がある場合は、合去や合化は成立しません。なぜなら互いが互いの合を邪魔している状態だからです。

次回は天干の相剋について見ていきます。