四柱推命旺

十干と十二支から解命を行う本格的四柱推命の専門サイトです。四柱推命の本質と解命方法を詳しく解説し、ユーザーの皆様の理解を深めていきたいと思います。

日干の強弱判断実例~時柱が不明の場合の判断方法

今回は時柱が不明の場合の日干の強弱判断について解説したいと思います。四柱推命に関する情報を見ていると、「生まれた時間が分からない場合は運命は分からない」と言っている人もいますが、実はこれには分かる場合と分からない場合の二通りがあります。

なぜなら時柱が不明の命式の場合、日干の強弱によって喜神・忌神を明らかにするという点において、以下の3種類に大別できるからです。

  1. 普通格局確定であり、年柱・月柱・日柱で既に日干の強弱が確定している命式
  2. 普通格局確定だが、年柱・月柱・日柱では日干の強弱が定めがたく、時柱によって日干の強弱が変わる命式
  3. 日干の強弱は確定しているが、普通格局になるか特別格局になるかが不明な命式

となります。このため「生まれた時間が分からない場合は絶対に運命は分からない」というわけではなく、命式によっては時柱が不明でも喜神・忌神が判明するケースがあるのです。

今回は1,2の命式について、実例を示して解説していきたいと思います。それではこれより、実例を示して解説していきたいと思います。

年柱・月柱・日柱で既に日干の強弱が確定している命式(普通格局)

まずは『普通格局確定であり、なおかつ年柱・月柱・日柱で既に日干の強弱が確定している命式』について解説したいと思います。

実例解説~ビートたけしさんの命式

以下は1947年1月18日生まれの命式です。

天干
地支

以上はビートたけしさんの命式ですが、どの時間に生まれても身強にはならない命式です。その理由を説明する前に、まずは時柱を除いた五行の力量を旺相死囚休の理にしたがって計算してみましょう。

木(相)0
火(死)2.3
土(囚)2.0
金(休)15.0
水(旺)3.3

ポイントは、ビートたけしさんは丑月・水旺の生まれであるということです。このため日干の丁は死令であり、火のエネルギーが最も弱い季節に生まれているため、丙や戌(火庫)などがあっても火はたったの2.3しか力量がありません。

対して、金は休令ながらも辛・酉・丑によって15の力量があります。またビートたけしさんは地支に酉・丑金局半合をもつため、たとえば時柱に卯が来ても酉との冲が起こりません。つまり、酉金が去る可能性がないため、どうやっても身弱とはならないのです。

その証拠に、時柱を加えて判断をしてみましょう。

ビートたけしさんは普通格局の身弱

まずは最も火が強い昼の12時生まれだと仮定してみましょう。

天干
地支

天干・地支ともに火ですので、日干強弱の判断を勘に頼っている占い師の方だと身強と判断してしまうかもしれません。しかし当サイトのプログラムで判定していただくと分かりますが、火は死令のため5.3程度にしかなりません。身弱です。

また、酉金が冲される可能性も見ておきましょう。

天干
地支

卯・酉は冲の関係ですが、隣に酉・丑があるため沖去せず。つまり金の力量は15のまま、さらに天干に旺の癸があらわれたため、水は8.3となり、身弱の度合いを強めています。

なおビートたけしさんの命式は、従勢格や従財格など特別格局となる可能性も非常に低いです。仮となりますが、解命結果は以下です。

  • 日干: 丁火
  • 格局: 偏財格(仮)
  • 日干の強弱: 身弱(中弱)
  • 用神: 丙火
  • 喜神: 火・木
  • 忌神: 土・金・水
  • 閑神: なし

となります。喜神・忌神については時柱が不明のため曖昧な部分もありますが、用神については金強なのでほぼ確定的と言えるでしょう。ただし夜中の生まれの場合に限り水強となるため、用神・甲木となる可能性もありますが、喜神が火・木であることは同じです。

年柱・月柱・日柱では日干の強弱が定めがたく、時柱によって日干の強弱が変わる命式

次は『普通格局確定だが、年柱・月柱・日柱では日干の強弱が定めがたく、時柱によって日干の強弱が変わる命式』を取り上げたいと思います。

以下は2020年5月、SNSでの誹謗中傷を苦にして自殺を図ったとみられる木村花さんの命式です。

実例解説~木村花さんの命式

以下は1997年9月3日生まれの命式です。

天干
地支

日干は戊土ですが、申月・金旺に生まれており、なおかつ金を蔵する地支が並んでいます。このため食傷大過の身弱かと疑われますが、天干には戊土と丁火、地支にも土旺の丑があるため、時柱を除いた命式では日干の力量は決して弱くはありません。実際の数値は以下です。

木(死)0
火(囚)2.0
土(休)12.0
金(旺)15.0
水(相)4.0

このようになっています。日干の力量は12+αですが、金の力量がそれを上回るためこのままでは身弱です。しかし、時柱を加えて見るとどうでしょうか?

天干
地支

たとえば火が強い12時の生まれとすると、土が15、印の火も6程度となるため、転じて身強となるのです。しかし夕方の15時を過ぎると、

天干
地支

となり、金の力量は26を超えてきますから、明らかに食傷大過の身弱と判断できるのです。このように木村さんの命式は、時柱によって身弱か身強かが変わるため、推測で判断することはできません。そのような時はどうしたらよいでしょうか?

日干強弱が分からない場合は、大運と事象を照合する

日干強弱が分からず、喜神・忌神が判断できない場合は、事象と大運の流れを照合して判断を行います。この方法で100%日干強弱が分かるわけではありませんが、少なくとも時柱が不明のまま推測するよりは、相当的中率を上げることができます。

以下、まずは木村さんが誕生してから死亡するまでの大運を追ってみましょう。ただし事象と照合すると言っても、木村さんの詳細な経歴や事象が分かるわけではありません。以下は木村さんのウィキペディアを元に、簡単な観察を行ったものです。

第一運【己酉】1歳~(1999年~)
この大運は酉・金旺のため、金のエネルギーは原局+10となります。また己土は休令のため、+3程度ですが、明らかに金強となる大運です。この大運は2009年までですが、ウィキペディアには『8月21日のNEO女子プロレス東京キネマ倶楽部大会を関係者として観戦。』『スターダムの前身とも言える風香自主興行「風香祭8」(メインは風香vs木村響子)でのイルクダンスチームのパフォーマンスに感銘を受けて、イルクのメンバーの元でダンスを習い始める。』などとあります。
第二運【庚戌】11歳~(2009年~)
続く大運は戌のため金・土旺の大運です。木村さんの場合は年干が陰干であるため、大運は順行であり、まず金旺4年、後土旺6年となる点がポイントです。ウィキペディアには『プロダンサーの道を断念したことや、母親が勧めたことなどから、プロレス入りのためのトレーニングを始める。この時期に高校は中退している。』『3月30日(2016年)、WRESTLE-1道場で開催されたプロレス総合学院1期生の卒業試合での才木玲佳戦でデビュー。才木のキャメルクラッチに敗れる。』『JWP女子プロレス板橋グリーンホール大会にてライディーン鋼のジュニア卒業で返上されたJWP認定ジュニア王座&POP王座決定トーナメントに出場し藤ヶ崎矢子と決勝で戦い勝利。王座初戴冠となる。』など、プロレスラーとして活動を開始したことが分かります。なお土旺は2013年からです。ちなみに『前年末の試合で負傷し、右尺骨骨幹部骨折で全治一か月と診断され、年始の試合を欠場』したのは流年運【丙申】であり、金が巡っていました。これは金が忌神である可能性を高めています。
第三運【辛亥】21歳~(2019年~)
ここが問題の大運です。地支は亥の水旺へと変わり、天干には辛金があらわれるため、金・水が強まる大運です。大運は厳密には2019年の4月からであり、この時流年運は【己亥】ですから、亥水二支であり、水がとても強まっていることが分かります。そして2020年に入って問題のテラスハウス事件が起こるわけですが、この時流年運は【庚子】へと変わり、前年よりもさらに金・水が強くなっていることが分かります。

以上の簡単な観察から、木村さんが身弱であり、金や水を忌む可能性が高いことが分かります。また亥水の運に入ってから問題が起こっているため、水が最忌神である可能性が強いでしょう。このため、木村さんが生まれた時間は夕方~夜の可能性があります。

推測ですが解明結果です。

  • 日干: 戊土
  • 格局: 食神格
  • 日干の強弱: 身弱(小弱~中弱)
  • 用神: 丙火
  • 喜神: 火・土
  • 忌神: 金・水・木
  • 閑神: ※木は閑神の可能性あり

また木村花さんは、先天運と姓名のバランスも悪いため、より先天的な悪運傾向が強まる暗示がありました。もし日干・戊土の身弱だとすると、彼女の姓名三才は【木・金・木】であり、喜神の火・土が皆無です。これは、忌神運時にはさらに強く忌神の悪影響が出ることを示しています。

なお姓名暗示につきましては、姓名判断の虎の舞のほうで【木村花さん自殺騒動!木村さんの性格傾向と運勢を姓名から読む】という記事を書いていますので、よろしければこちらをご参照ください。