方合の見方
全体は三合の解説を行いましたが、今回は「方合(ほうごう)」について解説していきます。三合と方合の違いで最も重要なことは、「方合の方が三合よりも団結力が強い」ということであります。このため地支において特定の方合が成立する命式ですと、その方合が象徴する五行エネルギーが極端に強まるということが言えるのです。
これは命式のエネルギーが特定の五行に大きく偏るということですから、実はあまり好ましいことではありません。方合や三合というと「合」という言葉から何となく吉祥があるのかな?と考えたくもなりますが、私が見てきた限りでは地支に方合ある人で吉命というのは極少数でした。
その理由は今後四柱推命を深く掘り下げていくうちに理解していただくこととなりますが、概して「五行のエネルギーバランスが大きく偏る場合は波乱の命となることが多い」ということを覚えておいていただければよいかと思います。
それでは方合の具体的な見方に進みましょう。
方合の解説と解法
以下の図をご覧ください。方合とは、「東西南北それぞれの地支における団結」のことです。方合は非常に単純明瞭のため、三合などより覚えやすいと思います。
以下、さらに理解しやすいよう、表にしておきます。ちなみに土は中央に位置する五行のため方合はありません。
方角と五行 | 地支 |
---|---|
東方・木 | 寅・卯・辰 |
南方・火 | 巳・午・未 |
西方・金 | 申・酉・戌 |
北方・水 | 亥・子・丑 |
とこのようになります。つまり地支において「寅・卯・辰」が揃っていれば木が、「巳・午・未」が揃っていれば火が、「申・酉・戌」が揃っていれば金が、「亥・子・丑」が揃っていれば水の五行エネルギーが大変強まるということになるのです。
方合は団結力が強いため崩れにくい
方合も三合と同様、地支において必ずしも全部の支が隣り合っていなくても成立します。ただし方合は三合よりも団結力が強いため、以下の場合を除いては団結が崩れません。
- 方合の旺支が冲に遭わない限りは方合が成立する
旺支とは「卯・午・酉・子」の帝旺の地支のことであり、方合の中心核となる地支のことです。方合の場合は、これらの旺支が冲に遭わなければ方合が成立します。
つまり三合の場合は、旺支以外の地支が合に遭えば成立しませんでしたが、方合の場合は隣に合となる地支があっても方合が成立するということです。この点はとても重要なため、以下で詳しく解説していきます。
方合が成立する場合
以下、方合が成立する場合について解説していきます。
時 | 日 | 月 | 年 |
---|---|---|---|
酉 | 午 | 未 | 巳 |
巳・午・未の火の方合の地支が揃っています。また旺支である午を冲する子もありませんので、方合が成立しています。つまり大変火の強い命式です。
時 | 日 | 月 | 年 |
---|---|---|---|
子 | 寅 | 亥 | 丑 |
亥・子・丑の水の方合の地支が揃っています。亥・寅が支合となる関係ですが、旺支である子の隣に午はありませんので、方合が成立します。この場合、寅は固有根となります。
時 | 日 | 月 | 年 |
---|---|---|---|
戌 | 申 | 巳 | 酉 |
申・酉・戌の金の方合の地支が揃っています。申・巳は冲であり、なおかつ巳・酉は金局半合の関係であるものの、旺支である酉の隣に卯はありませんので、方合が成立することになります。
方合が成立しない場合
以下、方合が成立しない場合について解説していきます。
時 | 日 | 月 | 年 |
---|---|---|---|
寅 | 卯 | 酉 | 辰 |
寅・卯・辰の木の方合の地支が揃っています。しかし、旺支である卯の隣に酉があって冲を起こすため、方合は成立しません。このような場合は全ての地支が固有根となります。
時 | 日 | 月 | 年 |
---|---|---|---|
午 | 子 | 丑 | 亥 |
亥・子・丑の水の方合の地支が揃っています。しかし、旺支である子の隣に午があって冲を起こすため、方合は成立しません。
方合が成立すると蔵干が変化する
以上で見てきた方合が成立する命式では蔵干が以下のように変化します。
木の方合 | ||
---|---|---|
寅 | 卯 | 辰 |
甲・甲 | 乙・甲 | 乙・乙 |
火の方合 | ||
巳 | 午 | 未 |
丙・丙 | 丁・丙 | 丁・丁 |
金の方合 | ||
申 | 酉 | 戌 |
庚・庚 | 辛・庚 | 辛・辛 |
水の方合 | ||
亥 | 子 | 丑 |
壬・壬 | 癸・壬 | 癸・癸 |
方合に「半会」はない
三合では帝旺の地支と長生・墓の地支による「半会」という作用がありましたが、方合にはそのような作用はありません。このため寅・卯の地支があっても、蔵干に変化はないのです。
方合の吉凶について
方合についても三合と同様、それ自体で吉凶を断じることはできません。ただ方合はとてもエネルギーが強く命式のバランスを大きく崩しやすいため、方合が吉となることは稀と言えるでしょう。特に普通格局において官の方合大過となる場合は、波乱の命となります。
また方合の五行が比劫となるか?印となるか?食傷となるか?財となるか?官となるか?によって違いはあるものの、方合のエネルギーはとても強いため、いずれにしても特定の五行が大きく偏る、つまり忌となる可能性が高いのです。
また地支に方合をもち、なおかつその五行の気を剋す気勢がない場合は、特別格局となる可能性もあります。この場合は方合の五行が喜神となりますが、しかし従旺格などの場合は破格といった現象があるため、やはり波乱の命となることが多いのです。※ちなみに従旺格や従財格などは珍しく、そのためか吉命と考えられがちですが、実は波乱運となることの方が多いです。
この辺りはまた事象論の場で詳しくお話したいと思います。