四柱推命旺

十干と十二支から解命を行う本格的四柱推命の専門サイトです。四柱推命の本質と解命方法を詳しく解説し、ユーザーの皆様の理解を深めていきたいと思います。

従殺格(じゅうさつかく)の成立条件

今回は、特別格局の従格の一分類である従殺格の成立条件について解説していきたいと思います。「従殺格」とは何とも恐ろしげな名前ですが、これは生剋名の「官殺」に由来するものです。古来より偏官は「殺」とも呼ばれるものですので、これをとって『従殺格』と言います。

また『正官大過すれば偏官(殺)と化す』というように、官殺の五行が重くなければその作用は偏官に似てきますから、その意味でも『従殺格』と呼ばれます。そして文字通り、従殺格とは官殺が大過した命式のことです。

しかし何度も言うように、「官殺が大過しているから従殺格」等と安易に判断することは間違いの元となります。このためまずは従殺格の成立条件から見ていきましょう。これを知りますと、従殺格か否かの判断はかなり容易となります。

従殺格の成立条件について

それでは従殺格の成立条件を見ていきましょう。基本的な考え方は従児格・従財格とほぼ同じです。

  1. 官殺が月令を得ていること
  2. 官殺の五行が非常に強力であること
  3. 印が全くないこと
  4. 食傷が官殺を剋す構造ではないこと

となります。1-3までは他の従格の成立条件と同じですが、4の「食傷が官殺を剋す構造ではないこと」は従殺格独自の成立条件となります。これら条件について、一つ一つ説明していきます。

1の「官殺が月令を得ていること」は必須条件です。このためもし官殺が大過していても、官殺が月令を得ていない命式は従殺格とはなりません。

2の「官殺の五行が非常に強力であること」も重要です。逆から見れば、官殺が月令を得ており、印・比劫・食傷がなければほぼ従殺格になるということです。

3の「印が全くないこと」も必須条件です。ただし、印が原局にあっても、合や冲などで無作用化する場合は、『仮の従殺格』となります。

4の「食傷が官殺を剋す構造ではないこと」は、食傷が官殺を剋すということは、『官殺が旺ではなくなる』ということですので、従殺格と見なすことはできません。この場合は、普通格局となります。また、『食傷が官殺を剋さないものの、食傷が痛恨する命式』の場合は、従勢格となります。

以上で従殺格の見分け方が分かっていただけたかと思います。次は、実際に従殺格となる命式を紹介しますので、さらに理解を深めていきましょう。

従殺格の命式判断例

それでは実際の命式を例に取っていきます。まずは従殺格と似ているものの、やや成立条件に反するために従殺格とは判断できない命式から見ていきましょう。

従殺格とは判断できない命式実例

以下の命式をご覧ください。

天干
地支

上記の命式は日干・丙火、子月水旺の生まれのため官殺の水が月令を得ており、なおかつ水大過しています。このため従殺格にとても近い命式ですが、時支に一点印の卯木があり日干を生助するため、従殺格とは判断できません。

分野によって正官格か偏官格に分類される命式です。日干強く剋され、なおかつ調候の火がなく生気が全くありませんので、生命力がとても弱く凶命と言える命式です。

もう一つ実例を紹介しましょう。

天干
地支

時柱をずらし、19時生まれとすると、時柱が【戊戌】となります。こちらの命式においては印が皆無ですが、食傷の戊が官殺を剋する構造となっていますので、従殺格とは判断できません。こちらも普通格局であり、正官格か偏官格となるものです。

従殺格と判断できる命式実例

以下は真の従殺格となる命式です。

天干
地支

日干・丁火であり、時支の亥に印の甲木があるものの、亥・子・丑の方合が出来上がっているため、蔵干すべて水となり、官殺極めて強となっています。加えて子月にて官殺が月令を得ており、有力な比劫や官殺も全くないため、従殺格となります。

ちなみにこの水の方合は決して解けることがありませんので、仮ではなく「真の従殺格」となります。真の従殺格とはいえ、やはり調候の丙火がなく生気が乏しいため、特に破格の時期は波乱の傾向大となる命です。