四柱推命旺

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一行得気格(いちぎょうとっきかく)の成立条件

今回は格局判断の最後として、一行得気格の成立条件について見ていきたいと思います。一行得気格には、日干の五行別に曲直格、炎上格、稼穡格、従革格、潤下格の5種があります。まずはこれについて簡単に見てみましょう。

  • 曲直格:日干が甲・乙木の一行得気格
  • 炎上格:日干が丙・丁火の一行得気格
  • 稼穡格:日干が戊・己土の一行得気格
  • 従革格:日干が庚・辛金の一行得気格
  • 潤下格:日干が壬・癸水の一行得気格

以上の5種が一行得気格と呼ばれる特別格局です。その成立条件は従旺格と似ていますが、異なる点もありますので、まずは成立条件から解説していきます。

一行得気格の成立条件について

一行得気格の成立条件については、以上であげた五種の格それぞれに共通の条件がありますので、覚えるのは比較的優しいと思います。一行得気格は従旺格と似ていますが、少し異なる点があります。まずは従旺格の成立条件から見てみましょう。

従旺格の成立条件

  1. 日干が月令を得ること
  2. 有力な官殺が一点もないこと
  3. 印が必ずあり、印と比劫が強力なこと

ということでした。対して一行得気格の場合は、以下が成立条件となります。見比べてみてください。

一行得気格の成立条件

  1. 日干が月令を得ること
  2. 有力な官殺が一点もないこと
  3. 日干と同一五行が方合または三合を形成していること(※稼穡格の場合のみ、地支すべて土性支とする)

となります。つまり従旺格と一行得気格の異なる点は、「一行得気格は日干と同一五行が方合または三合を形成している」必要があり、「印は必須ではない」ということになります。

これはその「一行得気格」という名の通り、一行得気格では「一行(日干と同一五行)が旺じていること」が重要となるためです。ですので印は絶対必要ではありませんが、印があったほうが日干がより強旺となるため、吉命であると言われています。

なお一行得気格の成立条件である方合または三合ですが、これらはただ三支が揃うだけではダメで、しっかりと合が成立していなければ一行得気格も成立しません。※また日干・土の稼穡格の場合、土の方合や三合はありませんので、地支がすべて土性支であることが条件となります。

それでは次は、五種類の一行得気格別に実際の命式を挙げて解説していきます。

曲直格の命式実例

曲直格は日干が甲または乙木であり、寅・卯・辰月木旺に生まれ、一つの官殺もなく、なおかつ地支において方合または三合が成立していることが成立条件となります。

天干
地支

上記命式は日干・甲木であり、寅月木旺に生まれ、一つの官殺(金)もなく、なおかつ地支において寅・卯・辰の木の方合が成立しているため、曲直格となります。

炎上格の命式実例

炎上格は日干が丙または丁火であり、巳・午・未月火旺に生まれ、一つの官殺もなく、なおかつ地支において方合または三合が成立していることが成立条件となります。

天干
地支

上記命式は日干・丙火であり、巳月火旺に生まれ、一つの官殺(水)もなく、なおかつ地支において巳・午・未の火の方合が成立しているため、炎上格となります。火旺の生まれのため調候は水となりますが、水がないことが成立条件ですので、炎上格は波乱の多い下格とされています。

稼穡格の命式実例

稼穡格は日干が戊または己土であり、辰・未・戌・丑月土旺に生まれ、一つの官殺もなく、なおかつ地支において方合または三合が成立していることが成立条件となります。

天干
地支

上記命式は日干・戊土であり、未月土旺に生まれ、一つの官殺(木)もなく、なおかつ地支はすべて土性支であるため、稼穡格となります。なお辰や未の蔵干に木が含まれますが、地支すべて土性支であり、木は土を剋す力がないため成立条件の妨げにはなりません。また月支は必ず土旺である必要があることに注意を要します。

従革格の命式実例

従革格は日干が庚または辛金であり、申・酉・戌月金旺に生まれ、一つの官殺もなく、なおかつ地支において方合または三合が成立していることが成立条件となります。

天干
地支

上記命式は日干・辛金であり、申月金旺に生まれ、一つの官殺(火)もなく、なおかつ地支において申・酉・戌の金の方合が成立しているため、従革格となります。こちらも成立条件としては調候の火(官殺)がないことが成立条件となりますので、下格とされています。

潤下格の命式実例

潤下格は日干が壬または癸水であり、亥・子・丑月水旺に生まれ、一つの官殺もなく、なおかつ地支において方合または三合が成立していることが成立条件となります。

天干
地支

上記命式は日干・癸水であり、亥月水旺に生まれ、一つの官殺(土)もなく、なおかつ地支において亥・子・水の水の方合が成立しているため、潤下格となります。潤下格は調候の火(財)があっても格局の成立条件の妨げにはなりません。言うまでもなく調候の火がある方が運勢良好な命となります。