四柱推命旺

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日干の身強・身弱の判断方法~五行の力量測定編3(剋・合・冲による命式の変化を読む)

前回までの解説で一応、命式八字から五行それぞれのエネルギー量を出すことができました。しかし、命式には合や冲による合化や無作用化などがあり、それによって蔵干が変化する可能性があるわけですから、もし剋・合・冲がある場合はその作用も加味した上で計算を行わなければいけません。

ここまでの解説で非常にややこしく感じておられる方もいると察しますが、このように順序を踏んでしっかりと計算を行わなければ、正しい日干の強弱は分からないのです。

はじめに前回のおさらいを少ししていきたいと思います。以下の私の命式を例に取ります。

天干
地支
蔵干丙・丁(分野:丁)壬・癸(分野:癸)戊・甲・壬(分野:甲)庚・辛(分野:辛)

以上が私の命式ですが、月支は亥月・水旺の生まれのため、旺相死囚休の乗数配分は以下となります。そして命式の天干・地支から導き出した五行の基本力量に以下の数を掛け、五行それぞれのエネルギーを導き出します。

水(旺)5
木(相)4
火(死)1
土(囚)2
金(休)3

結果、私の命式は以下のような五行エネルギー配分となりました。

五行天干力量地支力量合計
044
022
20.666662.66666
6612
513.3333318.33333

上の表を見ると、最強は水(旺)で約18.3。その次は金(休)で12。その次は木(相)で4。さらに土(囚)、火(死)と続きます。ここまでを見ると、食傷の水が最強つまり旺となっていますので、金のエネルギーを水に洩らし、身弱と見ることもできます。

しかし、命式の剋・合・冲の作用をよくよく見てからでなければ、正しい判断はできません。次に、私の命式に剋・合・冲がないかどうかを見ていきましょう。

冲による干支の変化後の力量計算

まずは天干からです。以下に天干のみを抜き出しました。私の命式・天干には剋・合はありません。よって原局における判断に変わりはありません。

天干

次は地支です。地支については分かりやすいよう蔵干も表示しています。地支においては、午・子が冲の関係です。また子と隣に位置する亥との関係を見ると、互いに合・冲関係ではありませんので、この午・子の冲は成立しています。

地支
蔵干丙・丁(分野:丁)壬・癸(分野:癸)戊・甲・壬(分野:甲)庚・辛(分野:辛)

冲が成立する場合は、互いの地支が無作用化します。つまりそれぞれの地支の力量は0と判断をしますので、午火・子水ともに力量計算を行いません。このため先ほど出した数値から午と子の分を差し引きました。以下をご覧ください。

五行天干力量地支力量合計
044
000(※子の冲により-2)
20.666662.66666
6612
53.333338.33333(午の冲により-10)

このように変化しました。ご覧のように最強の水が-10により、金最強となったことが分かるかと思います。ちなみに冲去作用による無作用化は、厳密には命式の様相を読んで緻密な判断を行います。私の場合は水旺ですし、水旺盛のため水は実際は9~10ほどエネルギーがあるものと考えます。

そして火はゼロです。火については死令ですし、天干も壬のためゼロと考えるのが妥当です。私の命式は調候丙火ですし、原局で火が死んでいるため、火が絶対不可欠の命式と言えます。

日干の強さは12であり、実質最強となるため、原局での判断は身強です。ただし私の命式のように合や冲により身強となる場合は、大運によって冲が解けると身弱へ偏ることがあります。

合による力量の変化

もう一つの例を見てみましょう。今度は合による力量の変化です。以下の命式を見てください。

天干
地支
蔵干庚・壬・戊(分野:戊)癸・壬(分野:癸)己・乙・丁(分野:丁)丙・庚・戊(分野:庚)

以上の命式は未の火旺です(分野:丁)。土旺ではない点に注意してください。プロの四柱推命家でも月支に未があるだけで土旺と判断してしまう人も多いです。以上は7月9日生まれの命式で節入りからまだ2日目のため火旺盛な時です。そして原局における五行力量は以下の通りとなります。

五行天干力量地支力量合計
617
01010
06.666666.66666
01.666661.66666
44.666668.66666

当然火旺のため火が強く、金は死令のため申金あっても1.7程度しか力量がないことが分かります。水は囚令ですが、天干に壬・癸、地支にも子水あるため結構強いことが分かります。しかし火には及びません。火最強、つまり食傷大過による身弱と判断しそうなところですが、よくよく天干・地支を観察してみます。

すると地支においては申・子が水局半合の関係であることが分かります。このため地支蔵干は以下のように変化をします。

地支
蔵干壬・癸癸・壬己・乙・丁丙・庚・戊

すなわち申・子の半合により、申の蔵干はすべて水となりました。それでは再度力量計算を行ってみましょう。その結果は以下の通りです。

五行天干力量地支力量合計
617
01010
02.666662.66666
011
4812

ご覧のように最強は火から水へと変わりました。申の蔵干である戊と申がなくなったことにより、土と金はマイナス、反対に水は力量を4程度も増しました。つまり火旺であれ、これだけ水が強ければ水が最強となる例です。

そして印の水が最強であるため、日干はやや身強となります。

しかし、もし未が土旺の場合はどうでしょうか?その場合は水は死令となるため、乗数1となり、結果力量は半分の6となりますので、水最強とはなりません。日干も弱です。したがって季節の旺相死囚休を見極めることがまずは大変重要なのです。

日干の身強・身弱の見極め方

最後に日干の強弱判断を行います。上記の命式の例では、日干の甲木の力量が7程度しかないため、身弱と判断してしまいそうです。しかし日干の強弱判断は、日干そのものの力量を他と対比するのではなく、四柱の構造から真の日干のエネルギーを数値化しなければなりません。

ということで、これで終わりではなく、最後に「四柱構造から日干の強弱を判断する」という作業が必要となるのです。これについてはまた長くなりますので、次回に説明したいと思います。

ちなみに巷の四柱推命サイトの自動鑑定では、どのようにして日干の強弱を判断しているのでしょうか?実際はそのほとんどが旺相死囚休を無視し、ただ単に天干と地支の干支を五行に変換して計算するだけです。このため、コンピュータプログラムでの身強・身弱判断はまず当たらないと考えて良いでしょう。当たっていたとしてもまぐれによるものです。少なくとも私は、日干の強弱判断を厳密に行っているプログラムは見たことがなく、極めていい加減だと感じていました。

なお当サイトのコンピュータープログラムによる五行力量判断については、これまでに解説してきた内容をそのまま再現しています。ただし、剋・合・冲は計算に入れていませんので、「日主の強弱判断」の項目は修正が必要となる可能性があります。

※日干の強弱判断を完全にプログラムすることも不可能ではありませんが、非常にコードが膨大となり大変そうなので、未だ着手しておりません。